Sweet Love
パチパチパチ



『由愛ちゃ〜ん!すごくよかったよ〜!」



「ありがとう。」



終わった瞬間、わき起こった歓声と生徒の声。



何事もなく終わってよかった…



工藤先生の伴奏は不思議で、余計なこと考えずにうまく歌えた。



本番前はあんなに緊張してたのに、歌ってる最中は緊張なんてなかった。



工藤先生には、本当に助けられてるな…



「工藤先生、ありがとうございました。」



「こちらこそ、ありがとう。楽しかったよ。久しぶりに人前でピアノ弾いたし。」



「それにしては、完璧でしたね。」



「まあね。」



はは〜即答ですか…



「工藤先生〜ピアノうまいんですね!私、感動しました〜!」



その声は…



「原田…どうも。」



「あ、宮本先生。歌、うまかったんですね。」



「まあ…一応音楽教師ですから…」



「ですよね〜うまくなきゃ、音楽の先生なんてやってないですもんね〜」



なにこの子…



好きな人の前だと態度が違うタイプだとわかってたけど、まさかここまでだとは…



「工藤先生!2人で話しましょうよ!最近、文化祭の練習ばっかで話してなかったから!」



「いや…俺は…」



そう言いながら私を見る工藤先生。



だけど私は



「じゃあ、私は生徒達と話してきますね。」



そう言って、工藤先生の元を離れた。

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