Sweet Love
ぎゅっ



私は、保健室を出ようとした工藤先生の裾を掴んで止めた



「どうした?」



「工藤先生…ありがとう」



そう言って微笑むと



「っ…またな」



顔を赤くしながら頭の上に手を置いて出て行った


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懐かしいな〜



あの日の夜は、良い夢見れたんだよね〜



あの時からここは思い出の場所になったんだ



「ふふっ…本当に懐かしい」



「由愛?」



「工藤先生」



「なにしてるの?」



「あの時のこと思い出してて…」



「あの時のこと?」



「私だけの秘密です」



と言って笑うとあの時みたいに顔を赤くした工藤先生



「お前さ…笑うと結構かわいいってわかってる?」



「え?」



「あの時もそうだったけどさ」



「あの時?」



「ほら、お前が高3の時に熱出して保健室連れて行っただろ?あの時だよ。ベッドで寝かせた後、帰ろうとしたら微笑まれてまじやばかったし」



覚えてくれてたんだ…



「ふふっ…」



うれしすぎて思わず笑みがこぼれる



「なに笑ってんだよ…?」



不思議な顔で見る工藤先生に



「なんでもないですっ!」



と言って今まで以上の笑顔を向けたーー

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