Sweet Love
私は泣かないようにしながら話した



「たまには違う所に行ってみたくてって言った…私は嫌な予感がしてお母さんに待っててって言ったら、迷惑かけてごめんね。ありがとうって言われたの…私は駅に急いで行った…だけど…もう遅かった…」



「遅かった…?」



「うん…私が駅に着いた時には人だかりがたくさんできてて…その中を進んでくとお母さんが血だらけで倒れてた…」



「そんな…」



「バカだよね…お父さんが死んでからお母さんを支えるのは私だって張り切ってバイトとかしてたのに、結局救えなかった…2人とも…」



と言いながら力無く笑うと



ギュッ



「え…?」



工藤先生に抱きしめられた



「泣けよ」



「くどう…せん…せい…」



「お前はがんばったよ。夜遅くに帰ってるの見てた。だから、泣いていいんだよ」



「私は泣く資格ないっ…!1番つらかったのは、お母さんなのにお母さんは泣かなかった…」



「その分お前が泣いたらいい」



「私はもう1人なの…1人で生きていくためには涙なんて必要ない…」



「俺がいる」



「え?」



「なにかあったらいつでも俺に頼れ。お前は1人じゃない」



工藤先生がそう言った瞬間、私の目から涙がこぼれた



「うっ…」



「今まで溜め込んでた分、今ここで泣け。受け止めてやる」

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