Sweet Love

「なんでそんなことわかるんですか？」



「目の下にクマができてる」



由愛ちゃんの目の下を見るとほんの少しだけどクマができていた



「それに、メイクが濃いわ…きっと気付かせないようにしてたのね…」



どこまで優しいんだろう、この子は…



紘人にこれ以上心配させたくなくて隠してたんだろう



そんなことも気付かないなんて…



悔しい…



思わず、手をギュッと握ると



ガラガラーー



「はぁ…はぁ…悪い、慎」



「紘人…」



「工藤先生、彼女結構無理してるみたいだから注意しといてね」



「わかりました…」



「じゃあ、この子連れて帰ってゆっくり休ませて」



「はい」



そう言って紘人は由愛ちゃんを抱き抱えた



「ありがとうございました」



出てこうとした紘人のあとを俺も一緒についていく



「お大事に〜」










「慎、悪かったな」



駐車場まで一緒に歩いていると紘人がいきなりそんなこと言った



「いいんだよ、別に。それより、ごめん。由愛ちゃんのこと気付けなくて」



「お前は謝らなくていい。俺も気付けなかった。1番近くにいるのに」



「紘人…」



珍しく、紘人の顔は晴れてなかった



「もう少し早く気付けてたらこんなに無理させることなかったんだろうな」