Sweet Love
工藤先生は紙をまじまじと見て



「俺、この曲がいい」



と言ってきた



「残念ながら、決めるのはくじ引きですから。工藤先生じゃありません。」



そう言うと工藤先生は、むすっとした。



「そんな顔されても決め方は変えませんよ」



「くそ…あいつらに任せるしかないか…」



「歌うのは生徒たちですからね」



そんなに優勝したいのね



それから、残りの仕事を片付けていると気づいたら私と工藤先生と松田先生しかいなかった。



「あれ、いつの間にかみんな帰ってしまいましたね」



「あ、ほんとだ〜今日の見回りは俺たちってことか〜」



え…



「見回り誰も行ってないんですか?」



私たちは、毎日鍵の閉め忘れとかないか確認しに行かなきゃいけない。



それをするのは生徒たちが帰った後…つまり、夜にやるってことで…私にとっては勤務時間で1番嫌いな仕事。



暗闇は苦手だから、誰かと一緒に行かないと絶対できない。



「今日、誰も見回り行くと言ってなかっただろ?」



「そうでしたっけ?」



「お前なぁ…」



そんな呆れた顔されても、私集中するとなにも聞こえなくなるんだもん。



言ってたとしても覚えてないわよ。



思わず、工藤先生を睨んでいると



「まあまあ、2人ともけんかしないけんかしない。ここは、3人で行こうよ。」



「そうですね。」

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