絶望の部屋(再)
『この手紙をお前が読んでるってことは俺はもう死んでるんだろな。
 
お前に嘘をついたことは謝るたった1度だけで最後の嘘だ許してくれ。
 
お前はこの手紙を不思議に思うだろう。何故死ぬのがわかっているのかってな。
 
俺はお前と喧嘩している最中にゼツボウに会った。ゼツボウは俺にこれから起こる未来を見せて来たんだ。
その未来は黒鬼と戦って死ぬお前の姿だった。
たぶん俺が死んでるその未来では俺が黒鬼と戦って死んでいるんだろうな。
 
 
でも俺は後悔なんてしないからな。
だって大好きなお前の未来を繋ぐことができたんだから。
 
 
そして勇哉、俺はお前にもう一つ嘘をついていた。一つといいながもう一つはズルいかもしれないけど許してくれよ。
 
もうこれを読んでる頃には聞いてると思うが俺は七海とは付き合っていない。
お前はどうかはわからないが俺と七海はお互いを利用していただけだ。
だけどさ俺の見た未来にはお前が死ぬ未来の他にあの2人も殺される未来が見えたんだよ。
芝居のつもりだったのにさ何故か本気で七海のこと好きなってたんだよ。
だから俺の代わりに七海を守ってくれ。頼んだぞ勇哉。
 
 
今は辛いかもしれない。だがお前と栞の楽しい日々は偽りだったのかもう一度考えてくれ。
そしていつまでも俺の死体のそばで泣くな。
お前は俺に生きる意味をくれた。いつまでもカッコ悪い姿見せないでくれよ。
 
最後に恥ずかしくて手紙じゃないと話せなくてすまない。
こんな俺のことを親友って言ってくれるお前が俺は大好きだった。
 
俺の分まで生きてくれ頼む。
 
大親友一也より。』
 
 
「ははは。
 
なにが大親友だよばかが。死んでたら話にならねぇよ。でもありがとな一也。僕もう行くよ…元気でな。」
 
 
 
僕は立ち上がり涙を拭いて進んだ。
一也まかせておいて僕があの2人を希望に導くから。
 
 
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