絶望の部屋(再)
「みなさん大変長らくお疲れ様です。
あと残すところこちらの用意した鬼も1匹になりました。残った200名のみなさん是非ともこの鬼を倒していただくとボーナスがつくので頑張って。」
 
 
僕はその放送を聞いて刀を松葉杖の代わりにし最後の1匹であろう金の鬼のところに向かった。
 
 
決してボーナスが欲しいわけでも死にたいわけでもないがただ一也を殺した鬼を全て殺してやりたかった。
そして僕が1人でも大丈夫だと一也を安心させたかったから僕の足は吸い込まれるように金の鬼のいるところについた。
 
 
金の鬼のところに着くまで30分ぐらいかかったがその30分の間に何人が犠牲になったのだろうと思わせるほどの死体が金の鬼の周りに散らばっていた。
 
「お前に直接恨みはないけどこのゲーム終わらさせてもらうよ。」
 
 
僕はグッと刀を握りしめ金の鬼と対峙した。
金の鬼は動く気配もなくニコニコと笑っているだけだった。
 
 
グランドのようなところのど真ん中で風だけが遮る中一瞬風が止まった瞬間僕は動いた。
 
 
踏み込む足に激痛がはしるが今は気にしてる余裕はなかった。
縛っている布が真っ赤に染まり更にそこから血がしたたっていて出血の酷さを物語っていた。
 
僕の振り抜いた刃が僅かにかすめた瞬間僕は察した。
こいつには刃が通らない。
 
とっさの判断で僕は刀の刃を流すように下に下ろし横に回避した。
そして次の瞬間ドゴンッと大きな音とともに地面に大きな穴があいていた。
間一髪で回避することができ冷静なり周りを見てみると地面には無数の穴があいていた。
これが奴の必勝の形。
近づかせ通らない武器に驚いた瞬間死んでいる。ここにいる奴らはそうして死んだんだろう…
 
 
「ヨクヨケタナ。」
 
ようやく口を開いた鬼はこっちをギロっと睨みそう言った。
 
 
刀で勝てるのか?なんて考えたがここにある武器で倒せない敵を用意するはずがない。
 
 
どんなに硬くても切り方一つで切れるはずだ。
 
 
 
そうして考えてる間にも僕の他にもこいつに挑戦する奴が何人もいたが一瞬で体は吹き飛び原型をなくして死んでいった。
 
 
人間ってなんてもろいんだろう…バラバラになり死んでいく人間を見てそう思えてしまった。
 
 
形あるものは必ず壊れるものなんだよ金鬼。
 
 
僕の他の別の奴が犠牲になった瞬間僕は走って懐に入り一気に刀を振り抜いた。
 
 
振り抜いた刀の刃は最後に折れて地面に落ちた。
だがそれと同時に金鬼の体も崩れ始め地面に落ちた。
 
 
「真理亜、一也。2人のおかげで僕勝ったよ。
 
これでもうなにも未練はないよ。」
 
 
涙がこぼれる中僕は持っていた刀の鞘を捨てそこから立ち去った。
 
 
僕に力を貸してくれてありがとうみんな…。
 
 
「ゲーム終了!!
 
 
みなさんお疲れ様です。最後の金の鬼を倒すとは思っていませんでしたが倒してしまったみたいなのでこちらからボーナスとしてあなた達一人一人に1億円差し上げます。このゲームを勝ち残った暁にはそのお金を自由にお使いください。
 
 
そして次のゲームなんですが3日後いつもの集会室に集合してください。そこでゲームの説明をしますので。残り120名近くまで減ったのであとわずかですので頑張ってくださいね!」
 
 
僕はその放送を聞きながら僕は1人誰もいない自分の部屋に帰って行った。
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