絶望の部屋(再)
ガチャン…。
 
 
Jの部屋に入ると見たことない人達が強張った顔でこっちを睨みつけてきていた。
 
 
こうゆうのは苦手なんだよな…。
 
 
みんな仲良くしましょうってわけにもいかないし気まずいな…
 
 
 
とりあえず端の席に座ろう。
 
 
僕は1番端の席に座りシーンとなるこの部屋と言うか空間に気まずさ紛らわすように指を机の下でクルクル回してし時間が過ぎるのを待った。
 
 
今は僕を入れて四人この部屋にいた。
その後もゾロゾロとみんな顔に力が入って怖い顔の奴らばかりだった。
 
 
そして最後の10人目が入ってきてわかったことはここには男しか来なかったことだ。七海とも違う部屋になれた喜びの反面この気まずさと男臭さはたまらなかった。
 
 
一也がいた時はこんなことなかったのにな…。
 
 
この部屋にも何人か顔見知り同士がいて楽しそうに話している。
僕も話し相手が欲しくて周りを何度か見て見たがとてもじゃないがそんな雰囲気じゃなかった。
 
 
 
大体ここに来る奴は何でこんな怖い顔してるんだろ…
まぁ殺し合いをしに来てるんだし当然と言えば当然か…。
 
 
僕も怖い顔しといた方がいいのかな。でもな…そうゆうの苦手だし今更やったらわざとらしいしな。。
 
 
 
あっ、そうだ寝たふりしていよう。
それが一番だ。
 
 
 
そうして僕はゲームが始まるまで寝たふりを続けた。
 
 
 
でも射的ってことは銃なんだよな…
刀を使う系がよかったとか思ったりもしたがそんな都合よくゲームが進んでくれるわけないと頭ではわかっているのでそんな甘い考えはとっくの前に捨てた。
 
 
でも暗闇ってことは暗い中で撃つってことだよな。だったら使い慣れてるとかはあまり関係なさそうだからその辺はよかったのかな。
 
 
こんなとこ早く出てあのつまらないと思ってた日常に帰りたいよ…
 
 
 
こんなにもあの何もない日常を恋しく思わせるなんて僕はあのルールの最後に書いてあった絶望を知るって項目は絶対クリアしてる気がするんだけどな。。なによ一也が死んで僕は誰よりも絶望したはずだ。
 
 
ゲームにさえ勝ち残れれば絶対に生き残れる…よね?
 
 
 
それは僕が決めることじゃないか。
そんなことよりそろそろゲームが始まりそうだし集中だ集中。
 
 
「遅くなってすいません。
 
 
これよりJグループの暗闇射的を始めたいと思います。尚生き残れるのは1人なので仲良しごっこは醜いのでおやめください。
 
 
あなた達は絶望を知りそして死んでもらわないと困りますから仲良しごっこをしてる皆さんも裏切り合いそして絶望し死んでくれれば私にとっては1番喜ばしいことですので…期待しています。」
 
 
こいつやっぱり腐ってるな。
中の奴が気になってしょうがないよ…。
 
 
 
人間なのかなほんとに。人間にどうやったらあんなことできるんだろ。
まずここの設備がヤバすぎるだろ…
こいつのことを考えると謎が深まるばかりだしモヤモヤする。
もうこいつのことを考えるのはやめよう集中しろ僕。
 
 
 
「では皆さん机の上にある銃をお取りください。玉は1人3発全て撃ってしまえば死んでもらいます。尚暗闇の中での的あてなので的側と撃つ側にしっかりと別れてもらいますので的になった方は当たらないことだけを祈ってください。」
 
 
祈るだけかよ。
ほんとにこのゲーム運だけだな生き残れる可能性があるのは…。
2人とも大丈夫かな…
 
 
 
そう思いながら僕は机の上にあった銃を持ち玉を詰めた。
 
 
いよいよ暗闇射的が始まってしまったのだ。


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