絶望の部屋(再)
「新庄君お疲れ様です。
 
撃つ側の皆さんは…何人か死んでるみたいですがまぁどうでもいいです。
 
 
次の的は…其田君、的をお願いします。」
 
 
そう呼ばれて居た其田は僕がさっき2人目に殺した奴の友達だったらしく誰が殺したのかずっと吠えていた。
 
 
僕も疑われたが銃の弾が3発あるところをみせると納得したように引いた。
これも全て計算通りなんだけどね!
其田と呼ばれていたそいつは、身長は少し高めで顔はそこまでパッとしないやつだった。
 
 
まぁ次の的でだけが殺したか大方理解して僕を殺しに来るんだろうな…。
 
 
「では暗闇射的二回戦スタート!!」
 
 
掛け声とともに明かりがまた消えた。
僕も明かりが消えたとともに下にしゃがんだ。
 
 
みんなはもうあまり弾がないらしく僕に撃てとずっと叫んでいるが僕にとってそんなのはどうでもいいことだった。
 
 
暗闇の中あいつがいつ僕を襲ってくるかが問題だ。
 
 
撃つ側が圧倒的不利に見えるこのゲームだが攻略方意外にも多い。
これは的になった奴しかわからないがこの壁はたぶん銃弾を通さない。
そして的と撃つ側の境界線らしき線、これがたぶん攻略の鍵だろう。
 
 
さっき僕が的の時に人数を数えてみたがやはりしゃがんでるやつは何人かいたらしく人数が合わなかった。
ただびびってしゃがんだのかそれとももうこの壁を理解したのかはわからないが頭のいい奴がいてもおかしくないのは現実だ。
 
 
しばらく暗闇の中動きはなく今だに誰も撃とうとしない。
其田にも動きはまだないが僕もこれぐらいかかっていたし油断はできない。
 
 
しばらくするとさっきのぼーっと光る玉が僕の前に現れた。
そしてその少し横には必死に人を探してる様子の其田がキョロキョロと周りを見渡してこちらを何度もみているが気づかない。
 
 
なぜ撃たない?
こいつ見えてないのか…
 
 
撃つ側のみんなが横でザワザワし始めているのが聞こえた。
 
 
其田はきっと僕を殺しにあの光を頼りにここまで来たに違いない。
撃つ側の方になぜ光があるのかは謎だが撃つ側同士も見えないようになっていて声だけが聞こえてきた。
 
 
銃を前に突き出しながら周りが急に見えなくなったのに焦るようにキョロキョロして其田は声をあげた。
 
 
「なんで急に見えなくなるんだよ…
 
お、おい早く明かりをつけろよ。」
 
 
そう叫ぶ其田は次の瞬間額を撃たれ倒れ込むようにして死んだ。
 
< 109 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop