絶望の部屋(再)
真っ暗な中銃声が響くことなくシーンとした空気が流れていた。
 
 
ここまで来たらたぶん1人1発は弾を撃ってるはずだからみんなたぶんこの辺からは慎重に弾を使うだろうな…。
 
 
どうすれば弾を使わせれるだろう。
みんなの弾を残り1発まで持っていけば勝ちは決まったわけじゃないがほとんどその時点では勝ちだ。
 
 
 
早く誰か弾を撃てよ。
本当にみんな死んじゃうぞ。
 
 
 
そろそろ的の金城が動きを見せ始めてもおかしくなくなってきたし僕から顔を出すことももう出来ない。
 
 
みんなどんな状態で居るんだ…。
僕と同じ作戦で座っているのか?
それともアホみたいに今だに立って的を狙ってるのか…。
 
 
動きがないまま時間だけが過ぎていき体感で言うともう終わってもおかしくない時間になってきた。
 
 
 
微かな音でも聞こえるほど静まった部屋の中で突然銃声がなった。
その銃声に続き電気がパッとついた。
 
 
「ちっ。てめえらいつまでもビビってねぇで弾撃って死にやがれよ。」
 
 
そう言うのはいかにも悪そうな顔をした同い年に見えないような危ない雰囲気をはなった男だった。
 
 
 
「ごめん。僕はもう弾が1発しかないから撃つのはちょっと…。」
 
 
「おい、ゼツボウ。
 
 
残ってる奴の弾の数を教えろ。」
 
 
 
僕の話を無視しそいつはゼツボウに話し始めた。
 
 
 
「うーん…。そうですね。
 
 
じゃあ今から弾の数をモニターに表示しますね。」
 
 
 
頼む隠してる弾は数えられないでくれ…。
 
 
まさかこんな簡単に承諾するなんて。
 
 
自分の心臓の音がドクドクと激しい音を鳴らしているのが聞こえてくる。
成功してくれ…。
 
 
 
……。
 
 
 
「では…。どうぞ。」
 
 
パッとモニターが光って自分の顔の下に弾の数が書かれていた。
 
 
 
えっと…。
僕の弾の数は…
 
 
 
1。
 
 
よし、1発になってる。これでひとまず安心だ。
 
 
全身から吹き出る汗を拭いはぁーと大きなため息がでた。
 
 
 
よかった。ほんとに…
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