絶望の部屋(再)
自分の弾の数が上手く騙せたことにホッとしたが冷静にモニターを見るとまだ3発とも残ってる桐谷と書かれた奴がいた。
 
 
桐谷…って1度も見てないな。
と周りを探して見るとゾッと後ろに殺気を感じた。
 
 
僕はその殺気にいち早く気づき後ろを見た。
 
 
振り向いた先にはニタっと笑ったあの真田と…いやそれ以上に危ない雰囲気を漂わせる男がそこに立っていた。
 
 
「新庄だっけ…?お前なかなか面白いよ。
 
ずっと。お前のこと見させてもらってたぜ。」
 
 
「ははは。そりゃどうも…。
 
 
じゃあ全部知ってるってことか…。」
 
 
「そうだよ。」
 
 
と不気味に微笑みながら話してくる桐谷に僕はただらなぬものを感じた。
 
 
こいつは危ない。そう直感が察した。
 
 
「おい、桐谷とか言ったな。お前3発も残ってるならさっき撃っとけよ。
 
 
俺は2発しかないのに撃ったんだぞ。次はお前が絶対撃てよな。」
 
 
とさっき撃った…えっと名前は後藤…か。
 
 
後藤は桐谷に向かって少し切れながら話し始めた。
 
 
 
「えっ?撃てばいいの?」
 
 
「そうだよ。お前が次は撃てよな…って。え?」
 
 
 
ドサッと音が横からなった。
 
 
 
後藤は床にうつ伏せに倒れて動かなくなっていた。
 
 
「言われた通り撃ってあげたぜ。
 
 
って死んでたら聞こえないか。ははははっ。ダセッ。そんなとこで邪魔なんだよ」
 
 
と後藤の死体を蹴りながらまるで気が狂ったようにもてあそんでいる。
 
 
 
「1人また減っちゃいましたね。
 
でも実に桐谷君あなたは私好みのプレーヤーです。本当はルール違反なんですが…今回は特別に許してあげます。」
 
 
「そりゃどうも。
 
じゃあさ、そのついでと言ったらなんだけど次の的俺にやらせてくんねぇかな?」
 
 
「ええ、いいですよ。
 
 
大歓迎です。」
 
 
「サンキュー。じゃあ次は俺が的ってことでよろしく。」
 
 
 
最悪だ。
ゼツボウと2人で勝手に話を続けて勝手に決めてしまった…。
 
 
桐谷…絶対こいつは危険だ。
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