絶望の部屋(再)
麻生はたぶんもう死んだ…
 
 
ってことは後は僕と金城と桐谷の3人か…
 
 
 
桐谷とまともにやりあっても勝ち目はない。
正直こっちの場所も完璧にわかられてるのにホイホイ顔出すバカはいない。
 
 
どこかに必ず勝機があるはず。
 
 
 
「おーい、早く顔出せよ。
 
 
射的なんだから的を撃たないと終わらないぜ。
お前らもこの麻生とかゆうクズみたいに戦って死ねよ。
どうせ生き残るのは俺なんだからよ。」
 
 
 
言いたいように言いやがって…。
僕には死ねない理由があるんだ。
必ずここから出て見せる。
 
 
 
金城はどこでなにしてるんだろ…
と思ったその時、横からばっと起き上がる音が聞こえた。
 
 
「金城君…待って。」
 
 
 
「桐谷。お前は俺が仕留めてやる。
 
残りの弾は1発。どうせ死ぬなら誰か道連れにしてやるよ。
 
お前みたいなクズはこの世から消えやがれクソ殺人鬼。」
 
 
やめろ。
あと1発はしかない弾を使ったら…
 
 
 
パァンっ。
…ガッ。
 
 
銃声とともに金城の悶え苦しむ声と桐谷の悲鳴が少しが聞こえた。
 
 
「新庄…。絶対生き残れよな。」
 
 
 
最後に金城はそう言い残し倒れた。
金城の姿は見えなかったがなぜか不思議に見えている気がした。
 
 
 
ここで会わなければ…。
 
 
 
「はい。お疲れ様です。
 
 
今回でもうほとんどゲームは決まりましたね。」
 
 
ほとんど…ってもう僕の勝ちじゃないのか?
 
 
 
まさか…。
 
 
僕は恐る恐る的の桐谷の方を見た。
 
 
 
……。
 
 
「残念だったな新庄。
 
金城は、む?だ?死?にってやつだぜ。
 
まぁ惜しかったな、腕にちょっとかすっちまったぜ。」
 
 
 
殴りかかりたい。
だけどこれはゲームだ。
文句を言う資格なんて僕にはない。
 
 
金城…。ちゃんと名前ぐらい聞いとけばよかったな。
 
 
「おいおい新庄さっきあったばっかりのやつにもう情がわいてるのか?
 
 
そんなのは綺麗事だろ。
ニュース見たぜ、確か3年前だったかな。新庄勇哉って奴が親を殺したってな。
 
俺はあれ見てお前と会うのを今日まで楽しみにしてたんだからよ。」
 
 
「あれは…事故だ。
 
お前と一緒にするな。」
 
 
「はは。よくゆうぜ。
 
 
ここに来てお前何人殺したんだよ。そんなの今更言っても綺麗事にしか聞こえねぇんだよ殺人鬼が!」
 
 
「違う。お前と一緒にするな…。
 
 
僕はただ…みんなを守りたかっただけなんだ。」
 
 
「それを綺麗事ってゆうんだぜ。
 
人に言うならまず自分を見てから言うんだったな。ほら無理せず本性出せよ。殺すのは楽しいんだろ?自分だけが生きれればいいんだろ?
人間どんなにかっこいいこと言っても自分が1番可愛いんだよ。」
 
 
 
「僕は…僕は…自分が1番大事なんて思ってない。
 
 
栞や七海を守るために今生きている。
これは償いなんだ。
死んだ一也の為にも僕は…死ねない。だからお前に殺されるわけにはいかない。」
 
 
 
「お2人ともお取り込み中すいませんが暗闇射的の続きを…と言いたいところですがあなた方2人の意見は聞かせてもらいまして…ここだけ特別2人とも生き残ることを許します。
 
 
ではファイナルステージへどうぞ。」
 
 
 
ギギギギギギギギギっ。
 
 
 
暗闇射的のステージにあった奥の扉が開いた。
 
 
 
なんだか生き残れたみたいだな…。
一也…。
僕のしてきたことって間違ってたのかな?
違うよね。もう逃げないって決めたんだ。最後まで自分のやりたいようにやってみるよ。
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