絶望の部屋(再)
希望と絶望
「あーそうそうこのJグループが最後なのでなるべく急いでくださいね。
 
他9名のみなさんがみんなあなた達を待ってるので。」
 
 
 
そう言ってゼツボウの姿はどこかに消えていった。
 
 
 
早くいかないといけないのか…。
 
 
 
「じゃあ新庄、俺は先に行ってるからまた後でな!」
 
 
 
「早く行けよ。お前となんか一緒に歩いてたまるか。」
 
 
 
僕はあえて時間5分ぐらい経ってから扉の向こうに行くことにした。
 
 
 
5分後ここで死んだみんなに手を合わせ歩いた。
 
 
みんなごめんね。殺した僕は許されないかもしれないけど僕にも生きなければいけない理由があったんだ。
だから許してくれとは言わない。
ことの重大さはもうわかってる。
君達の分まで僕が頑張るから…
 
 
 
僕は暗闇射的の奥にある大きな扉を押して開けた。
 
 
 
ピカッとさっきまでの部屋と違いかなり明るい部屋に着いた。
 
 
 
ついにここまでやってこれた。
絶望の部屋。思えばながったな…
あとちょっとだ。頑張るしかない。
 
 
 
「よーし!!」
 
僕は自分の顔を両手で叩いて気合いを入れてみんなが待つ場所に向かった。
 
 
 
僕はみんなが待つ扉の前に立って祈るようにして扉を開けた。
 
 
頼む2人とも生きててくれ。
 
 
 
「「「「え?」」」」
 
 
 
僕が部屋に入って響いたのはこの声だった。
 
 
 
僕は一瞬戸惑ったが冷静に考えてみた。
するとその答えはすぐにでた。
 
 
本当はあのゲームで生き残れるのは1人のはずなのに1人目の桐谷が来たあとに来るはずのない11人目が来たから驚くのも当然と言えば当然なのかもしれない。
 
 
だがみんなのあまりに驚いた表情に僕は扉を開いたまま膠着してしまった。
 
 
 
「あんた生きてたの…?
 
先に違う人が入ってきたから死んだのかと…思ったじゃない。」
 
 
 
七海が僕の方に寄って話しかけてきた。
 
よかった生き残れたのか。僕はホッとしてため息をついた。
 
 
 
「心配かけてごめん。なんかゼツボウが僕らは2人残っていいってことになってそこにいる桐谷と僕の2人が最後のこの場所に来れたんだ。
 
 
そ、それより栞は!?」
 
 
 
「大丈夫よ。なんとかあの子も生き残れたみたい。
 
 
でもなんかあんたに合わす顔がないとか言ってたような…」
 
 
「生きてるの!よかった…。
 
 
本当によかったよ。」
 
 
僕は全身の力が抜けその場に座りこんでしまった。
でもみんな生き残れたみたいだし本当によかったと心の底から僕は思った。
 
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