絶望の部屋(再)
僕と七海はまたみんなのいる場所に戻るため歩き始めた。
 
 
七海は途中少し元気がなかったがだんだんいつも通りに戻ってきて安心した。
 
 
2人で話しながら歩いているとふと横を見るとグランドが見えた。
 
 
「ねぇもう一つやり残したことがあるから行っていいかな?」
 
 
「私は構わないけどなにをやり残したの?」
 
 
「やり残したってゆうより返してもらうってゆう方が正しいかな。」
 
 
「返してもらうって…なにを?」
 
 
「ちょっとね…。」
 
 
僕は金の鬼を殺したあの場所まで歩いていきそこにおいていった折れた刀を取りにいった。
 
 
あのときは置いていったが今思えばこの刀がないとお墓を立ててやるとしても何一つ残らないって思えてしまった。
せめて真理亜が最後まで戦い抜いたのと全力で生きようとした結晶をこの手で埋めてあげたい。
 
 
「何そのボロボロの刀…。」
 
 
「これはあの最初の頃に会った眼鏡の女にもらった刀なんだ。
 
 
僕はあの子に救われて今生きているんだ。あの子がいなかったら今の僕もいない。だからこの刀はどんなにボロボロでもすごく大事なものなんだ…」
 
 
「そうだったの…
 
 
でもよくもまぁこんな綺麗に折れたね…
何切ったのよあんたは。」
 
 
「あぁ…。七海ちゃん達は知らなかったんだね。
 
 
僕があの金の鬼を倒したんだ。」
 
 
「え?うそ!
 
 
あっ、でもあんた強かったもんね。なんか今なら信じれるわ。」
 
 
 
「まぁあれは偶然だよたぶん。
 
僕は強くないよ。いつだって守られてばっかりだし。だから僕は一也みたいに人を守れる奴になりたいんだ。たとえそれが自分が死のうとも」
 
 
「ふーん…。
 
 
なんかあんたかっこ良くなったね。
初めて見た時よりずっと…
 
そう言えばあんたと栞って今どうゆう関係になってるわけ?」
 
 
「え…。どうなんだろ。。
 
 
栞って僕のこと本当に好きだったのかな?」
 
 
「知らないよ。私達そうゆう話はしないからさ。」
 
 
「そうなんだ…。
 
 
じゃあ付き合ってないんじゃないかな…。どうなんだろ。」
 
 
「じゃあお互いフリーってことか…。
 
 
じゃあさ。私と付き合ってみる?」
 
 
「え…?え、え、え。
 
 
何言ってるの七海ちゃん!本気でいってるのそれ…?」
 
 
「うん。今の新庄ならいいよ。
 
女は切り替え早くないと取れる男も取れないしさ。」
 
 
「えーと…。え、と。あ。うん、え?あれ…」
 
 
「なーんてね。冗談よ冗談。
 
 
私はずっと一也が好き。これからも先もずっと。だから新庄とは付き合えないよー。
 
一也より早くあんたと出会ってたら変わってたかもしれないけどね。」
 
 
びっくりした…。
まさか告白されるなんて…。
って冗談だったんだけどね。
 
 
慣れてなさすぎて何を言ったかも覚えてないしテンパりすぎた気がする。
我ながら情けないな…
 
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