絶望の部屋(再)
5時ちょうどに一也の家の前に着いた。
 
 
 
一也はもう家の外で待っていた。
僕が来るのを朝から待っていたのだろう…
 
 
 
「ごめん一也ギリギリに来ちゃって。
 
 
あの神社にお参りに行ってたんだ…
 
 
 
受験の時3人で行ったよね。あの神社には色々と助けられていた気がしたから最後に寄りたくてさ…」
 
 
 
 
「あのさ勇哉…
 
 
昨日はきつく行って悪かったな。
 
 
俺さこのゲームについて少し詳しく知っててさお前には絶対に参加してほしくなかったんだ…
 
 
でもそれは俺の勝手な都合で死ぬと決まったわけじゃないんだからきつく言うのはおかしかったよな…」
 
 
 
「ううん、僕のほうこそ一也の意見を無視して結局自分の都合で勝手に参加してごめんな。
 
 
一也にはほんと感謝してるよずっとずっと…」
 
 
 
「絶望の部屋はさ…
 
 
望むのであれば参加資格のない奴を1人連れて行けるんだ。
よかったら俺を連れて行ってくれないか?」
 
 
突然の一也の申し出に驚いた。
 
 
死ぬかもしれないゲームに参加する意味がわからなかったからだ。
 
 
たしかに僕らは他の奴らのように薄い仲じゃないのは確かだけどでも命をかけてまで参加する意味が一也にはないとしか思えなかった。
 
 
「なんでだよ。
 
そんなことできるわけないだろ?だいたい希1人をおいて僕ら2人が死んでしまったら希はどうなるんだよ…」
 
 
「止めないといけないだよ…。」
 
止めないといけない?
 
 
…。
 
 
確かに一也はそう言った。
 
 
そしてそれを言った一也の目はどこを見つめているのかわからないけど真剣に何処かを見ていた。
 
 
 
「わかった。
 
 
何があったのかは今は聞かないけどちゃんと教えてくれ。それが条件だ。」
 
 
 
「わかってるよ。
 
 
お前にはいつか話すつもりだったさ。
だって俺らは親友だろ。」
そう言った一也は悲しい瞳で小さく笑った。
 
 
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