絶望の部屋(再)
「終わりじゃない…?
 
 
もう誰もいないじゃないか!」
 
 
 
『いるじゃないですかそこに2人。
 
 
 
あなたにはこの2人を天秤にかけてどちらかを選んでもらいます。
 
 
 
いらない奴を殺しても絶望の表情は見れませんからね。
 
 
大切にしている人を殺さないとー』
 
 
 
狂ってる。
 
 
 
先生と希のどちらかを殺すなんてできない。
 
 
どちらも僕にとってかけがえのない存在なんだ。
 
 
先生は僕の過去のことを知りながら僕のことを見捨てなかった初めて先生でいい人だと思えた人だし殺すなんて考えれない。
 
 
 
ましてや希とは小さい頃からの仲なのにそんな希を殺すなんて絶対にできない。
 
 
 
 
でも選ばなければ…
 
 
 
なぜ僕がこんなな選択をしなきゃいけないんだ。
何人が僕の勝手な行動で死ぬんだよ。
 
 
こんな中に希望なんてないよ。
 
 
 
「勇哉早く選ぶんだ。
 
 
この程度も選べないなら絶望の部屋で生き残れるはずがない。」
 
 
ようやく口を開いた一也に僕は唖然とした。
 
 
返す言葉もなくただただ黙って一也の顔を見ることしかできなかった。
 
 
 
「新庄…
 
望田を生かしてやりなさい。」
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