絶望の部屋(再)
ブーブー
 
 
また電話がなった。
 
 
もちろんのこと相手は希だ。
 
 
電話にでないで行くのもいいが希とそれでお別れになるのも嫌だったので電話にでることにした。
 
 
 
「もしもし。
なにかあったの?」
 
 
 
「なにかあったの?じゃないわよ。
 
家の下におりてきなさい。一也ももう捕まえてるから。」
 
 
 
一也…
 
 
僕が寝ていた1時間近くも地獄にいたのか。可哀想に。
 
 
僕は着替えて外にでた。
 
 
外には鬼の形相の希がいた。
 
 
こうなってる希には関わるのも嫌だな。顔は可愛いんだけどな…
ちょっと短気なところがあるんだよなぁ。
 
 
頭で色々な言い訳を考えて見たがどうにせよ希の怒りが収まらないのは目に見えていた。
 
 
「なんで呼び出されたかわかってるよね?」
 
 
 
「えっ…
 
た、たぶん。いやわからないけど。
 
 
それよりそんなに怒った顔してるとせっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
 
 
「ゆう…や~。私は冗談が聞きたいんじゃないの。わかってんの?」
 
 
火に油を注いだみたいなもんだ。
 
こうなった希に通用するはずがなかった。
 
「はい。わかっています。すいませんでした。」
 
 
「ははは。情けねぇな勇哉。」
 
 
手は縄で縛られ首根っこ掴まれてまるで猫みたいになってる一也が言ってきた。
 
 
まず情けないって…
 
 
一也。お前が1番ダサいよ。
 
 
「一也…。ダサいよほんと。」
 
 
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