絶望の部屋(再)
「おい、希。なんでこんなとこにいるんだよ。」
 
「っ!!
 
なんですか?」
 
 
 
なんですかじゃないよ…
 
なんでいるんだよほんと。
僕らとあの時わかれたじゃないか。
あの時の涙も言葉も嘘だったのか?
しかもなんで他人事のように話すんだよ。僕ら男も女も関係ない親友じゃなかったのかよ。
 
 
なんだか色々頭によぎって涙すらでそうになった。
 
「なんでって。
 
 
帰って来てから一緒遊ぼうって約束したじゃないか。あの約束は嘘だったのかよ希。」
 
 
「あの…
 
 
私も希じゃないんですけど…」
 
 
えっ、
 
 
希じゃない?
 
 
僕のその姿を見てやれやれと言った表情で一也がこっちを見て笑っている。
 
 
「おいおい、勇哉。よく見ろよその子の髪の色。
 
 
俺らの知ってる希は髪の色が茶色だろ?
けどその子は黒色だ。だからこの子と希は別人だよ。」
 
 
一也のその言葉を聞いて冷静になって見てみると確かに髪の色が違うかった。
希は髪にピンをつけてないがこの子はつけていた。
 
よくよく考えてみたら少し違っていたみたいだった。
けどこの子はほんとに希に似ていた。声も顔も雰囲気も。
間違えても無理がないほど瓜二つだった。
 
「あの…ごめんなさい。
 
人違いでした。僕の友達に似ていたもんでなんかむちゃくちゃ言っちゃって…」
 
 
「いえいえ、人違いなら誰にでもあることですし気にしないでください。
 
 
私にそんなに似てるならその子会ってみたいなぁ」
 
 
ちゃんと話してみるとこの子はとてもいい子だった。
 
初対面の僕に対して壁を作らず話しをしてくれた。
 
それにしてもここまで似てると他人とは思えなく感じ僕はこの子とだけは殺し合いたくないと思った。
 
 
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