絶望の部屋(再)
静まり返っていたこのフィールドにも少しずつ動きが見られてきた。
 
ここからは近くではないと思うが銃声が何度か聞こえたりしていた。
 
 
ただ待っている僕らにとってこの時間は精神を削られ集中力が乱れる一方だった。
 
 
全身から滲み出る冷や汗。まだ半日もたってないのに全身を襲う疲労感が早くもきていた。
 
 
それは僕だけでなく隣にいる栞もたぶん同じ状態なんだとその様子から感じとれた。
 
「おい、勇哉。大丈夫か?」
 
それは少し離れたところにいる一也の声だった。
 
たった数時間聞いてなかっただけなのに妙に懐かしく安心できる声だった。
 
 
「僕は大丈夫だけど安藤さんがちょっとしんどそうだよ!!」
 
「そっちもか…
 
勇哉も強がらなくてもいいんだぞ。たぶんしんどいのはみんな一緒だろうから。」
 
どうやらあっちの2人も相当疲れてるみたいだ。
 
僕だけでもなんとか動けるようにしとかないと…
 
いつ襲われてもおかしくないんだから。
 
 
「僕は大丈夫だよ!!
 
一也達3人で木を降りてそこにある穴で休んでて!
 
 
僕はもう少しここで見張っておくから」
 
 
「すまんな勇哉。じゃあ少しだけ甘えさてもらうぜ。」
 
 
そうゆうと2人は木を降り穴に隠れた。
 
 
その少し後にゆっくりと栞も穴の方に向かった。
 
 
しばらくすると3人は寝てしまい3人を守れるのは僕1人なった。
 
 
先ほどの緊張より更に緊張が増し汗で銃を握ってる感覚すら薄れてきた。
 
 
強がりをゆえるほど僕の精神は安定してなかったのについなんとなく強がってしまった。
 
 
でもこんな時ぐらい役に立たないと僕のわがままに付き合ってもらった一也に合わす顔がない。
 
 
いざとなればどうとでもできるんだ。
そう自分に言い聞かし木の陰に姿を潜めていた。
< 46 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop