絶望の部屋(再)
辺りは暗くなり周りはほとんど何も見えなくなっていた。
 
 
風に揺すられる草の音ですら背筋を凍らせ緊張の時が続いていた。
 
 
何よりおかしいのはかなり前に寝たはずの一也達3人が一向に目を覚まさないことだった。
 
 
栞と七海はわからないけど一也は昼間にあんなに寝ていたのに今これだけ寝ているのに起きないのは明らかにおかしい。
 
 
そしてそれは僕自身もそうだった。
あれほど寝たはずなのに全身は衰弱し、凄まじい睡魔に襲われほとんど前も向いてられなかった。
 
 
そんな時あの気味が悪い声のアナウンスが流れてきた。
 
 
「お伝えするのを忘れてましたがこのフィールドでは普段通りの生活習慣では生きれないようになっています。
 
 
既に感じてる方が大多数だと思いますがその疲労感は普段の数倍に感じるシステムになっているので一週間まるまる起きておこうなんて甘い考えは今のうちになくしたほうがいいですよ。」
 
 
言うことだけ言ってアナウンスはプツンと切れてしまった。
 
 
でもこの疲労感の謎はとけた。
 
 
そりゃしんどいはずだよ。
 
僕の疲労感はピークに達しもはや起きているか寝ているのかもわからなくなってきた。
 
 
さらにこの疲労感を引き立ててくれるこの環境といつ死ぬかわからない恐怖。
 
 
月明かりだけしかないこの場所は木々の擦れる音がよく聞こえ人なんかが動けばすぐわかるほどこの辺りは静まり返っていた。
 
 
なんだか僕はここに来て初めて絶望を味わった気分になった。
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