絶望の部屋(再)
一也と2人でゆっくりと喋るのは久しぶりで会話思ったより弾んだ。
 
ただ会話は弾んでも一つ文句をつけるならば今は殺し合いの場にいることだった。
このつまらないフラグさえなければ今の状況は非常に楽しいものだった。
親友と2人っきりで語り合える…でも殺し合いの最中。
二つの真ん中にいる今なんとも複雑な感情で楽しい会話も楽しみきれないのも現実だった。
 
 
そして何より一也とって昼に寝ていた分いわば今が朝のようなもの。
だけど僕の場合は寝てない。
おまけにここは普段の何倍も疲れるってだけあってもはや途切れ途切れに意識は飛び目の前はほとんど真っ暗に感じた。
 
 
「大丈夫か勇哉…?
 
だいぶきつそうだぞ。」
 
 
「そうでもないよ!!
 
ここにいたら誰だってしんどいんだし僕の場合はたぶん運動不
足でちょっときついだけだよ!」
 
 
「そうか…
それだったらいいけどやせ我慢はよくないからな。」
 
 
「そんなことしないよ!
 
僕なら大丈夫だから安心してよ!」
 
 
なぜなのかわからないが素直になれなかった。
 
しんどいに決まってるだろ!そう言いたい気持ちもあるがなぜかそんな言葉は出てこず強がりしか言えなかった。
 
 
バカなのか?
今の自分に僕は問いただしたい。
なにを必死になってる。罪滅ぼし?それとも見栄っ張り?
もはや自分の考えれる思考の選択は全てまわったが答えはでなかった。
ただ生き残りたい。死にたくない。そう思っているだけなのかもしれない。
 
 
 
そして緊張と穏やかだった1日目は終わりを迎えようとしていた。
今いったい何人死んで何人が生き残ってるのか。僕らにはそれすらもわからない。
勝負はこのゲームのルールと配分を理解した2日目以降になることは隣にいる一也もわかっているだろう。
 
僕の体力も限界に近いしできたら相手が早く全滅して終わってくれればいいと思ったがそんな甘い考えなどたぶん通用しないだろう。
僕らと同じく同じ場所に滞在するタイプの人はたくさんいると思うし僕らから動かないと敵と遭遇する確率はほんのわずかしかない。
いわば動かなければほとんど死なないと言うことだ。
だけどそんな甘い考えはすぐになくなってしまったのだ。
 
 
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