絶望の部屋(再)
なんとなく気まずい空気の中僕ら四人は森の中を少し腰を曲げて姿を目視されないように気をつけながら進んでいた。
 
 
 
ここの世界はおそらく作り物であろうとだんだんとわかってきた。
太陽が凄く近い位置にあるのに暑くないのが僕がそう思った一つの理由だった。
 
 
だけど太陽に当たってないから暑くないと言うことではなかった。
腰を曲げて歩くのは予想以上にきつくそれにあのルールせいでより疲れてるように感じた。
 
 
僕がしんどいと感じてるってことはおそらく栞と七海も疲れてるだろうと思い2人を様子を見てみるとやはり栞はとてもしんどそうにして息を切らしていた。
だが七海のほうはなぜかピンピンしていてやはり体育会系の女の子は凄いなと思わされただけだった。
 
 
「一也。1度この辺で休もうか。
 
たぶん少し疲れてきてるだろうし!」
 
 
「そ、そうだな!」
一也も栞の様子を見て状況を察してくれた。
 
 
さっきの位置情報では僕らの近くにはまだ人はいなかったみたいだけど次の位置情報ではどこまで近づいてきてるかなんてわからないからな…
 
 
できることなら早くこのゲームが終わってあの天国のような部屋に帰って昼寝でもしたいぐらいだった。
 
そんなことを考えていると位置情報の更新時間になった。
 
 
「おい勇哉。周りに誰かいたか?」
 
 
「ちょっと待ってね…。今見るから!」
 
 
「あ、私が見ますよ!もう出してるんで」
 
 
栞は既に時計を外に出していたから見てくれると申し出てくれた。
 
 
「じゃあお願いするよ!」
 
正直1時間ぐらいじゃなにも変わらないとしか思えなかったから僕はグッタリと座り込んでいた。
 
 
「え!…」
 
その声は突然漏れ出した声だった。
 
 
大きな声で驚いた感じの様子のその声にグッタリと座り込んでいた僕の背筋はゾッと伸びてしまった。
 
 
 
「あ、あの…
 
か、囲まれてます。」
 
 
え。
 
 
それを聞いて僕は唖然としていた。
 
 
それは僕だけではないだろうここにいる全員が持っている感情だと僕は思う。
 
 
なぜ囲まれているのか…
さっきの位置情報では考えもできないこの状況に言葉を失ってしまった。
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