絶望の部屋(再)
「あーっ。よく寝た…。
 
 
あれ勇哉まだ寝てんのかよ暇だな…
 
 
ん?なんだこのバッグ…」
 
 
やはり気づいたか。いやむしろここまでして気づかなければ神経がおかしいともいるぐらいの場所にあるから気づくのは当然だ。
 
 
一也が起きたことだし適当に起きたふりして一緒に見るとしますか。
僕自身もあのバッグの中身は気になってウズウズしているのだからここで寝たふりを続ける意味はないので僕は何事もなかったかのように自然的に起きた感じを装った。
 
「ふぁーっ。あれ一也起きてたの?おはよう!」
 
 
「あ、勇哉起きたか!俺も今起きたところなんだけどさこのバッグなんだと思う?」
 
 
「バッグ?わからないけどなにが入ってるの?」
 
 
「いや、まだ見てないけど今から一緒に見ようと思ったところだったんだよ。」
 
 
 
やはりそうきた。1人で見るのは少し不安だけど2人でみれば少しは安心できる。
 
 
他の参加者のところにもこのバッグが届いてるのかが気になるところだけどまぁそこは後で栞達に聞くしかないだろうと思った。
 
 
ここの参加者で話せるのはあの二人だけだし他の人はまだやはり信用なんて出来ないし。
 
 
 
「じゃああけるぞ…」
 
 
「う、うん。」
 
 
僕は少し距離をとりなにか出てきても大丈夫なように身構えて待っていた。
 
 
 
だが一也はバッグの中身を見て唖然として声すらださずとまどってた。
 
 
その様子を察して僕も恐る恐るそっと覗いて見た。
 
 
「えっ。」
 
思わず飛びたした声は部屋中に響くぐらい大きな声だった。
 
大きな声が出るのも無理はない。生まれて初めて見るような量の札束がバッグにギッシリと入っていたのだ。
 
 
それを見てただただ言葉を失い呆然として立ち尽くしていた。
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