絶望の部屋(再)
「あの鬼なんだったんだろね…」
 
 
「ほんとだね…私怖すぎて鬼の顔もちゃんとみれてないか…」
 
 
今一つ不安があるとすれば僕らの代わりに殺された人が一也と七海じゃないかどうかだ。
 
 
あの2人が絶対にあそこに居なかったって可能性は0%ではない。
 
 
 
大丈夫かな一也…
 
 
 
「どうしたの新庄君?
 
 
なにかあった?さっきから顔が怖いよ…」
 
 
「あっ、ごめん。
 
 
僕らの代わりに殺された人が一也達だったらどうしようと思ってさ…」
 
 
 
栞はそれを聞き不安になった表情になりさっきまでそれを考えてなかったらしい。
 
 
一也にかぎってこんなとこで死ぬとは思えないけど…
あの黒鬼の索敵能力に加え他にも能力が未知数な鬼がいっぱい居たからな…
さすがに武器も持たずにあの鬼達に挑めばたとえ一也なりでもひとたまりもないだろう。
 
 
 
あぁ。。
さっきまで楽しかったはずなのに…
 
 
不安が頭から消えずそれからと言うもの栞が横から何か話しかけてきてくれていたが右から聞いて左に抜けていっていた。
 
 
 
「新庄君。新庄君!!!」
 
 
 
「え!!ごめん。
 
 
なんか喋ってた?」
 
 
 
「さっきからずっとその調子だね…
 
 
不安なのはわかるけどたぶんあの2人なら大丈夫だよ。」
 
 
「僕もそう思ってるんだけどもしもって場合もあるだろ…」
 
 
「もぉ。男の子なんだからウジウジしないの!
 
 
さっきまでかっこよかったのに台無しだよ?それにさっきこの遊園地のパンフレットみたら私達がさっき居たエリアは立ち入り禁止で鬼が出てくるって書いてあったしたぶんあの2人ならちゃんとパンフレットみて動いてるだろうから大丈夫だよ!」
 
 
えっ。パンフレット?
 
 
栞が持っていたパンフレットを見るとそこにはしっかりと立ち入り禁止エリアと書かれてあった。
 
 
あそこは立ち入り禁止で鬼が出てきてその鬼に見つかったら殺されるってゆうエリア全体を使ったアトラクションだったらしい。
 
 
 
それを見てさっきまでの不安は全て吹き飛びあれだけ悩んでいた自分が情けなく思えてきた。
 
 
だいたいパンフレットも読まずに進む方が悪いんだよな。
あれがアトラクションの一環ならなんであんな鬼が居たのかも頷ける。
 
 
 
「そうだったんだね!
 
 
それならよかったよ!」
 
 
「やっといつもの新庄君に戻ったね。
 
 
時間ももうあんまりないし何か乗ろうよ!!」
 
 
 
「そうだね!」
 
 
頼りないところもあるかと思ったらこうゆうしっかりした1面もあって安藤栞と言う子は今だにどうゆう子なのか少しわからないところもある。
 
 
 
だけど僕は栞のことがたぶん好きなんだと思う。
希に似てるから話しかけたんじゃなくてあの時から僕は彼女に一目惚れしていたんだ。
 
 
おっちょこちょいで優しくて、笑顔が可愛くてダメなものはダメと言ってくれてそれでいてたまに弱い1面もある。たった1週間ぐらいしか一緒に居ないが希の時とは違う一緒に居たいを始めて感じた女の子なんだ。
 
 
助けたり助けられたりだけどいつか栞の大切な人になれたらいいなってゆうのが今の僕の夢かな。
 
 
でもこの気持ちは心の底にしまっておく。だってこのゲームではいつ敵になるかもわからないし、仮に付き合えたとしてもいつ死ぬかなんてわからない。
 
だったら気持ちを伝えずに友達のまま死んだ方が栞にとっても幸せかななんて妄想を頭のなかで作っていた。
 
 
栞が僕のことを好き…
そんな都合のいい話ないよな。。。
 
 
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