絶望の部屋(再)
集会室に着くと1週間前とほとんど変わらないメンツが堂々と座っていた。
 
 
だが、この班の死亡率が低いとは言え無傷とはいかず何人かは見当たらない人達はいた。
 
 
 
部屋の奥の方には栞と七海が座っていてこっちに気づき手をふっていた。
 
 
 
「おはよう栞、七海ちゃん。」
 
 
「おはよう勇哉に一也君。」
 
 
僕ら4人は軽く挨拶するだけでそれからはほとんど会話もなく緊張した空気で張り巡らされていた。
 
 
一也は七海と少し話していたみたいだったがしばらくすると少し距離を置いて集中していた。
 
 
僕も栞が心配だったがあえて何も話さなかった。僕が声をかけて余計緊張されることになったら悪いと思ったからだ。
 
 
僕はジッと刀を見つめ集中して精神を落ち着かせ座っていた。
 
 
しばらく待っているとあの毎度お馴染みの聞きたくもない声が聞こえてきた。
 
 
「皆さんおはようございます。
 
 
まずは陣取りゲーム2回戦にも誰1人逃げずに来ていただいてありがとうごさいます。逃げられると探すのが面倒ですし見つけたら殺さないといけないので逃げるのはなしですよ。
 
 
まぁその話は置いといて。改めてルールの説明をしたいと思います。
今回はジャングルとは打って変わり洞窟エリアでの戦闘になります。
 
 
洞窟エリアでは前回のジャングルのように体力が奪われたり衛星による位置情報もなくなります。
ですが洞窟エリアには洞窟エリアの特別なルールがあるのでお楽しみください。
 
 
では説明は以上ですので会場の方へお進みを。皆さんの絶望を期待してます。」
 
 
おいおい。そのルールを先に教えろ。
 
 
なんで先に教えておかないんだよ。
 
 
だけどジャングルの体力を奪うやつがないのは大きい。あれがないとかなり楽になるはずだ。
 
 
だけど新しいルールってなんだろ。洞窟だから……なんだろ。わからないや。
 
 
みんながぞろぞろと集会室を出て戦いの場に向かう中僕はゼツボウの方を睨んでいるとゼツボウは薄気味悪くこっちを見て笑ってるような気がして気分が悪くなりみんなの後に続いた。
 
 
だけど僕はゼツボウのことを他人になぜか思えなかった。理由はないが何かあいつに懐かしさを感じたからだけだった。
 
 
そんなことをブツブツと考えているうちに洞窟に着きみんながバラバラになっていた。
 
 
 
洞窟エリアではポタポタと水が落ちる音がよく聞こえ辺りはシーンとなっているのが印象的だった。
 
 
ジャングルと違い温度が少し低く肌寒く感じるほどだった。
更に洞窟内は薄暗いぐらいでジャングルよりは辺りが見づらかった。
 
 
「よし、行くか勇哉。」
 
 
「そうだね。」
 
 
僕らは4人で全体的に死角がない場所を選び座っていた。
 
 
そして放送と共に陣取りゲーム2回戦は始まってしまった…
 
 
「それでは皆さん配置に着いたみたいなので2回戦を始めたいと思います。
 
 
陣取りゲーム2回戦スタート!!」
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