絶望の部屋(再)
あれから何をしてただろう。
 
 
何もしないまま呆然と立ち1時間、2時間、3時間と過ぎていき誰とも会うこともなく朝を迎えた。
 
 
七海も1時間前ぐらいから起きているが僕に話しかけることはなく少し距離をおいている。
 
 
ただ気になったのは起きた時に僕の姿を見て少し怯えてるように見えたことだ。
 
 
人がせっかく見張っててあげたのに失礼なことだ。
 
 
 
そして今日も七海と2人で一也と栞を探すことになった。
途中で罠らしいものはあったが先に気づきハマることはなかった。
前回と違い今回は簡単な仕様になってるのかな。
ぬるすぎて話にならないや。
 
 
気まずそうに1時間ぐらいこっちをチラチラ見ながら進んでる七海が急に顔が明るくなり前に走っていった。
 
 
走って行くってことはまぁ相手は決まってるよな。
一也と栞が2人で前をノソノソと歩いていた。
 
 
「一也!栞!大丈夫だった?」
 
 
「え?おうまぁな。
 
 
それよりお前なんか様子変じゃね?」
 
 
 
「何がだよ!
 
みんなそろって同じことばっかり。」
 
 
 
「いや顔見て見ろよ自分の…」
 
 
そう言って一也は七海から手鏡をもらい僕に渡してきた。
 
 
そして鏡の中を覗いて見た自分の顔はひどいものだった。
目には隈ができ殺した奴の返り血が顔に所々ついていて目つきも明らかにイっていた。
 
 
「あれー?おかしいな。
 
たぶん寝てないからだよ。」
 
 
「おい勇哉お前まさか誰か殺しただろ?」
 
 
「うん!まぁ1人だけだよ。
 
 
たった3ポイントしか稼げなかったよ。もっとバラバラにしとけばよかったね。」
 
 
そう言い放った僕の胸ぐらを掴み怒り狂った表情で一也はこっちを見ていた。
 
 
「やめろよ一也。
 
 
普通だって言ってるだろ?」
 
 
「てめえのどこが普通なんだよ。そんなんならあの真田ってやろうと何も変わらないじゃねぇか。」
 
 
「は?
 
 
あんな奴と一緒にするなよ。僕はちゃんと申し訳ないと思って切ったよ。」
 
 
 
「てめえ。」
 
 
一也が僕に向かって手をあげた瞬間に後ろから栞が大きな声で叫んだ。
 
 
 
「もう喧嘩はやめて!!
 
 
みんな生きてるんだからいいじゃない。」
 
 
仲裁に入った栞の一声で一也も手を離した。
だがどこか不満があるのかこっちを睨みつけていた。
 
 
「ちっ。
 
 
おい勇哉。お前は1度頭を冷やせ。
その辺で1度寝るんだ。」
 
 
「わかったよ。」
 
 
 
そうして僕は寝やすそうな石の上で寝ることにした。

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