絶望の部屋(再)
「かずなりー!!
 
帰るよー!勇哉も待ってるよ!」
 
 
 
僕の名前を聞いた一也はさっきまでもたもたしていたのに急に動きが早くなりすぐに出てきた。
 
 
なんだか朝見た夢とは別に寒気がしたような気がした。
 
 
 
「待たせて悪かったな勇哉!
 
 
希のやつ俺の悪口言ってなかったか?
 
 
希のやつ俺と2人のときは全然喋らないのに勇哉が来た途端明るくなりやがるから俺のこと嫌ってるんじゃないかと思ってよ…」
 
 
 
「ぷっ。一也そんなこと気にしてたの?
 
 
私は一也も嫌いじゃないよ!一也と2人っきりになったら何を話したらいいのかわからなくなるから話さないだけだよ!!」と少し顔を赤らめて話す希の姿に大体の察しはついた。
 
 
 
「えー、でもさっき希、一也の悪口言ってたじゃん!」
 
 
 
「ちょっと勇哉…!
 
なんでそんな嘘つくのよ。私怒るよ?」
 
 
 
「はははは!うそうそ。
 
 
一也もそんな真剣にびびるなよ。」
 
 
 
「勇哉…。
 
 
お前…。
 
 
相変わらずだな!」
 
 
 
「だね!
 
なんか懐かしいね。こうやって中学生の時は毎日話してたよね!」
 
 
 
「うん!
 
 
楽しかったよなあの頃は…」
 
 
 
妙な間とともに気まずい空気が走る。
 
 
 
「…」
 
 
 
「まぁでも今も楽しいよ僕は!
 
 
2人が僕のことを見捨てずに居てくれること事態が嬉しいことだからさ。」
 
 
 
2人が涙目で僕を見てそれを聞いて安心した表情を浮かべた。
 
 
 
「それよりさ2人に聞いてほしいことがあるんだよ。」
 
 
 
 「えっ?なんだ?」
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