絶望の部屋(再)
次の日の朝いつの間にか寝ていた僕は太陽の光のせいで目が覚めた。
 
 
昨日暴れまわった痕跡がところどころにあり昨日の自分を振り返るとバカとしか思えなかった。
 
 
 
1人で居ることには慣れていて時間だけが黙々とすぎていく一方でぼーっとしたまま3日が過ぎた。
 
 
これだけたっても誰も探しに来ないところを見るとやっぱりみんな僕を軽蔑したに違いない。
 
 
少し寂しい気もしたがこれが僕の人生なんだと悟りただ次のゲームで死ぬことしか考えれなかった。
 
 
本当に死にたいと言えば嘘になるがこれが報い。生きてもその後がないなら死ぬ方がマシ。
そうゆう考えしか出てこない。
 
 
寂しい時は星をみて心を和ませた。
そんな星を見ていた今日久しく人の足音が聞こえてきた。
嬉しくなりドキドキしながら待った。
 
 
「やっと見つけました!!」
 
 
誰だろ…聞き覚えがある懐かしい感じの声だった。
だが振り向く先にいたのは全くを持って感動する相手ではなく、オマケに懐かしくもない憎むべき相手ゼツボウだった。
 
 
「何か用かよ。」
 
 
「あなたがここに居るのはわかっていました。
 
 
長時間ここに居たみたいなので何かあったと思いここに来させてもらいました。」
 
 
何でわかってるんだよ気持ち悪い。
まぁ主催者なんだから全員の位置ぐらいわかってて当然か…
 
 
「あっそ。それで?
 
 
用がないならどっか行ってくれよ。僕は今誰とも会いたくないんだ。」
 
 
「過去のことで何かありましたね。
 
 
あなたは昔から悩むとこうゆうところに来る傾向がありますからすぐにわかりました。」
 
 
は?バカにしてるのかこいつ。
なんでお前が全部個人情報まで取得してるんだよ。
お前に何がわかる。所詮紙切れ1枚で得た情報なんだろ。知ったような口を聞くな。
とか思いながらゼツボウの言葉を聞き流した。
 
 
「お前に話す理由はない。
 
 
とっととどっか行ってくれよ。明日のゲームにはちゃんと参加する。それで文句ないだろ」
 
 
「はい。そうです。
 
 
あなたには生き残ってもらわないと困りますから。では私はこれにて失礼させてもらいます。」
 
 
そう言ってゼツボウは穴のような物を作り何処かに消えていった。
 
 
何者なんだ?なんて疑問かかえていたらあいつに関してはきりがないから何者なんてどうでもよかった。
いつか殺すべき相手。ただそれだけだ。
まぁそれも僕が生き残れたらだけどね
 
 
ゼツボウが去った後また静まりかえるこの場所にまたしても激しい足音が近づいてきた。
 
 
どうせまたゼツボウだろ…なんて思いうつむいていると今度こそ聞き覚えのある声が聞こえた。
 
 
「勇哉!!やっと見つけた!」
 
 
そう言って抱きついてきた相手は僕が捨てられたと思っていた栞だった。
 
 
「し…お…り?
 
どうしてここに…」
 
 
驚きのあまり片言になってしまった。
相手は殺人鬼だぞ?そんな男になぜまだ寄ってくる。
僕にはわからない。
 
 
「ずっと探してたんだよ!
 
やっとやっと会えた…」
 
 
そう言って泣き出した栞をよく見ると汗だくで疲れきった顔をしていた。
 
 
寝ずに毎日走り続けてたのか?まさかそんなこと…
ないなんて言えなかった。
栞の疲れきったその姿を見てそんなことは心の中でも言えなかった。
 
 
僕が今やるべきことはなんだろ…
僕は人殺しで人でなしのクズだ近づかない方がいい!と言って栞を振り払う。
違う。違うだろ。
やるべきことは一つじゃないか。
 
 
安堵の表情で泣き崩れる栞を抱き寄せいった
 
 
「心配かけてごめんね。」
 
 
「ううん…ほんとに無事で良かった。
 
生きててくれてありがと。」
 
 
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