絶望の部屋(再)
栞と七海が気を使ってくれ僕と一也は別々の部屋にしてもらった。
 
 
栞は全てのことを一也から聞いても僕のことを探してくれていたらしい。
 
 
栞はずっと泣いていたがようやく落ち着き始めやっとまともな会話ができるようになってきた。
 
 
「心配かけてほんとにごめんね。
 
 
ちょっと自分でもどうしたらいいかわからなくなって…
死のうとも思ったんだけど死ねなかった。」
 
 
 
「…!」
 
 
死ぬと言う言葉に反応し驚いた顔でこっちを見ていた。
 
 
「でも死ねなかったんだ。
 
 
ずっと生きてる価値なんて僕にはないと思ってみんなに見捨てられてまた1人に戻るんだと思っていた…
だからいっそのこと死んで楽になってやろうって思ったんだ。」
 
 
そう言った僕は栞が本気で怒ってる顔を初めてみた。
栞はそのまま僕の頬を思いっきり殴ってきた。
 
 
痛っ。
殴られた頬はジンジンと痛み今までうけたどんなものより痛かった気がした。
 
 
 
「死ぬなんて簡単に言わないで…」
 
 
「死ぬなんて簡単に言わないでよ!!
 
 
私のこと守ってくれるって約束したじゃない…」
 
 
そうだった。僕には守るべき人がいるじゃないか。
1人で考え込んで彼女を信頼せず何も話さないで死のうとしたなんて僕は間違ってた。
死ぬことでしか罪を償うことが出来ないと浅はかな自分なりの理論をたて勝手に悩み、勝手に殺し、勝手に泣き、勝手に怒り、勝手にいじけ、勝手に戻ってきてまた悩む。
 
ここ数日悩んだ結果がそんな情けない結果に至っていたなんて殴られて当然だ。
 
 
自分が情けないがそれでもこんな僕のことをまだ好きと言ってくれる栞を情けないと思う以上に守ってあげたい。
 
 
「僕が間違ってたよ。
 
これからは生きて君を守りたい。だからその…これからも僕のこと好きでいてくれませんか。」
 
 
「やっといつもの勇哉に戻ったね。
 
 
これで最後にしてこんなのは。次は私も許してあげないないからね!」
 
 
「ありがとう栞…。ありがとう。」
 
 
そしてそのあと栞は倒れるようにして眠ってしまい僕もその後を追うように寝てしまった。
 
 
気づけば朝になっていて栞が朝食を作っていてくれていた。
朝食をすました後は最後の陣取りゲームに向けて準備をして集会室に向かった。
 
 
腰にかける刀が震えるのがわかる。
体全体の震えが止まらずまた怖くなるが僕の体の震えを抑えるように栞が「大丈夫だよ。」と言って抱きしめてくれているからなんとか気を保つことができた。
 
 
そして最後の陣取りゲームがついに始まろうとしていた。
 
 
このゲームが終わる時に…………が死ぬなんて今の僕にはわからなかった。
そんなことを知らないなかゲームは始まった。
 
 
「では最後の陣取りゲームスタートです。」
 
 
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