絶望の部屋(再)
このゲームの最後と言うこともあり今までと違いかなりシンプルな感じだった。
ゼツボウの様子からして追加のヘンテコなルールもないみたいだしかなり楽なゲームになるような気がした。
ステージはビル。ビルの中で殺し合いをするみたいだ。洞窟やジャングルに比べると見栄えもそうだが現実的な感じがあり気持ち的にも楽だった。
「新庄勇哉。」
突然後ろから誰かが呼んできた。
「あんた何があったの?前の洞窟の時なんか1人で座ってたでしょ。
そんな情けないツラ見せないで欲しいわ。」
そう言ったのはあの眼鏡女だった。
心配してるのか文句を言ってるのかもわからないがなんだかバカにされてる気がした。
「こっちにも色々あるんだよ。
もうゲームは始まってるんだから早く散れよ。」
「ふん。
あんたが死ぬのは勝手だけど班の足を引っ張るようなら私が殺すからね。」
わけのわならないやつだ…
横にいる栞も首を傾げてこっちを見ていた。
「わかったよ。
もう大丈夫だから。」
「そう。それならいいわ。
後あんたその女とベタベタし過ぎよ。ちょっとはゲームに集中しなさい。」
「はいはい…わかりました。」
やっぱりわからない。
考え方が違うんだろな。そうに違いない。
走っていく眼鏡女の後ろ姿が消えた辺りで僕らも隠れる場所を探し、いい感じのところが見つかり2人で腰をかがめて潜んでいた。
ここまで来るのに班の人数もかなり減っているようで多分だが早く終わりそうな気がした。
うちの班も半数以上は死んでいる。
人数的には僕らの班はまだマシな方だかいつ死ぬかなんて運命のイタズラだ。現に何もせずに座っていた僕が死んでないのがそれをものがたっている。
それにしても運がよかったとしか言いようがないもんだ…
普通ならもうここには居ないはずだ。自分の強運を褒めてあげたいぐらいだ。
「ねぇ勇哉…この場所って今までの場所と違ってだいぶ狭いよね…
私達こんなところにいて大丈夫かな…?」
確かに…
今までは外でかなり広いイメージがあるが今回は室内。動き的にもそうだが生存率はグッと下がるだろう…
「うーん…どうだろ。。
でもここはいきなり不意打ちされる確率もかなり高そうだし動かない方がいいと思うよ。」
「そ、そうだね…」
不安になる気持ちもわかる。
なんせ相手の班の生き残っていたメンバーのポイント数は異常なまでには凄まじいものだったし、今回はどちらかが全滅するまで見たいだから班が負けていたら絶対に死ぬまで不利でも戦い続けなくちゃいけないんだからな…
「大丈夫だよ。僕だってあんな奴らに負けないもの持ってるから。
だから安心して…僕が絶対守ってみせるから。」
と話していたのはいいが僕らが隠れている場所に足音が近づいて来るのが聞こえた。
カタっカタっカタっカタっ
隠れている部屋の前辺りで止まり横の部屋を物色している音が聞こえてきた。
その距離わずな10mと言ってもいい距離に敵はいる。
さっきまで話していた空気とは違い緊張が走る。
扉の前で刀を持って伏せた。
こい。来るならこい。一撃で仕留める。
ドンっ
横の部屋の扉が閉まり、僕らが隠れている部屋の前で歩く音がまた消えた。
ドクドクと心臓の音が聞こえ相手に聞こえてるんじゃないかと思えるぐらいのものだった。
ふぅ…
…………。
バンッ
と鳴った瞬間刀を振りかざした。
だがこの時点で勝負はついた。
こんな時に手でお行儀よく開けてくれるなんてバカなことを思ってた自分を攻めるしかない。
振りかざした刀は空を切り相手に当たることはなく地面に刺さった。
横を見ると扉を蹴って開けたと思われるまるでゴリラのような男がニヤッとこっちを見て笑った。
負けだ。次に刀をもう1度振り直せば勝てたかもしれないけどやっぱり何も前に進めてなかったみたいだった。
心の奥底では怖がっていたみたいで刀を持つことすら出来なかった。
手から離れる刀が床に落ちる音と同時に銃声がなった。
弾は左足に直撃し感覚がほとんどなかった。流れる血を見て栞もパニックになり叫んでいる。
だが当たった僕はなぜか冷静に相手の手を掴み銃を叩きを落とした。
「逃げろ栞…
お前だけでも逃げろ。」
栞に僕はそう叫んで言った。
栞に銃でこいつを殺してもらうって手もあったが栞の精神状態と今の様子から察するに無理だと思いそうするのが最善だと思った。
「えっ…でも勇哉は?」
「僕はもういいよ。
どうせこの足じゃこれから先足を引っ張るだけだろうし。だからさ最後のお願いだと思って聞いてくれよ。」
「そんな…私そんなこと出来ないよ。
勇哉も一緒に連れて行くから。」
僕の肩をもちあげようとする栞の腕を振り払い叫んだ。
「早く逃げろ!!
栞まで死んじゃうだろ。」
ゴリラのような男は飛ばされた銃を拾いにいきはじめている。
もう時間がないんだ…
「うっ。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。」
泣きながら逃げる栞の後ろ姿を僕は目に焼き付けた。
最後に彼氏らしいことできたかな…
情けない姿ばっかり見せてたからな。
ようやくかっこいいとこ見せれたかな…
もっと一緒に居たかったなぁ。
「このクソアマが逃がすわけねぇだろ。」
銃を拾った男が栞の方に向かって構えたと同時に最後の力を振り絞りその銃口の真ん前に立った。
「なっ!!
カッコつけてんじゃねぇよ。お前から先に死ね!」
ドンっ。
次は横っ腹をかすめた。
突然出てきて焦ったのかわすがにずれたのだろう。
かすめたとは言えその部分からも出血し血が抜け過ぎて意識が朦朧としはじめその場に倒れこんだ。
ドロドロと流れる血の中に倒れ顔にも血がベッタリとついてしまった。
最後ぐらい綺麗な姿で死なせろよな。
「ざまぁみろくそゴリラ。
僕はもう満足だよ。殺せよ。」
「誰がゴリラだと…
お望み通り殺してやるよ!」
向けられた銃口を見て目をつぶった。
ドンっ
銃声とともに意識はなくなり真っ暗な世界になった。
これが死の世界か真っ暗だ…。
ゼツボウの様子からして追加のヘンテコなルールもないみたいだしかなり楽なゲームになるような気がした。
ステージはビル。ビルの中で殺し合いをするみたいだ。洞窟やジャングルに比べると見栄えもそうだが現実的な感じがあり気持ち的にも楽だった。
「新庄勇哉。」
突然後ろから誰かが呼んできた。
「あんた何があったの?前の洞窟の時なんか1人で座ってたでしょ。
そんな情けないツラ見せないで欲しいわ。」
そう言ったのはあの眼鏡女だった。
心配してるのか文句を言ってるのかもわからないがなんだかバカにされてる気がした。
「こっちにも色々あるんだよ。
もうゲームは始まってるんだから早く散れよ。」
「ふん。
あんたが死ぬのは勝手だけど班の足を引っ張るようなら私が殺すからね。」
わけのわならないやつだ…
横にいる栞も首を傾げてこっちを見ていた。
「わかったよ。
もう大丈夫だから。」
「そう。それならいいわ。
後あんたその女とベタベタし過ぎよ。ちょっとはゲームに集中しなさい。」
「はいはい…わかりました。」
やっぱりわからない。
考え方が違うんだろな。そうに違いない。
走っていく眼鏡女の後ろ姿が消えた辺りで僕らも隠れる場所を探し、いい感じのところが見つかり2人で腰をかがめて潜んでいた。
ここまで来るのに班の人数もかなり減っているようで多分だが早く終わりそうな気がした。
うちの班も半数以上は死んでいる。
人数的には僕らの班はまだマシな方だかいつ死ぬかなんて運命のイタズラだ。現に何もせずに座っていた僕が死んでないのがそれをものがたっている。
それにしても運がよかったとしか言いようがないもんだ…
普通ならもうここには居ないはずだ。自分の強運を褒めてあげたいぐらいだ。
「ねぇ勇哉…この場所って今までの場所と違ってだいぶ狭いよね…
私達こんなところにいて大丈夫かな…?」
確かに…
今までは外でかなり広いイメージがあるが今回は室内。動き的にもそうだが生存率はグッと下がるだろう…
「うーん…どうだろ。。
でもここはいきなり不意打ちされる確率もかなり高そうだし動かない方がいいと思うよ。」
「そ、そうだね…」
不安になる気持ちもわかる。
なんせ相手の班の生き残っていたメンバーのポイント数は異常なまでには凄まじいものだったし、今回はどちらかが全滅するまで見たいだから班が負けていたら絶対に死ぬまで不利でも戦い続けなくちゃいけないんだからな…
「大丈夫だよ。僕だってあんな奴らに負けないもの持ってるから。
だから安心して…僕が絶対守ってみせるから。」
と話していたのはいいが僕らが隠れている場所に足音が近づいて来るのが聞こえた。
カタっカタっカタっカタっ
隠れている部屋の前辺りで止まり横の部屋を物色している音が聞こえてきた。
その距離わずな10mと言ってもいい距離に敵はいる。
さっきまで話していた空気とは違い緊張が走る。
扉の前で刀を持って伏せた。
こい。来るならこい。一撃で仕留める。
ドンっ
横の部屋の扉が閉まり、僕らが隠れている部屋の前で歩く音がまた消えた。
ドクドクと心臓の音が聞こえ相手に聞こえてるんじゃないかと思えるぐらいのものだった。
ふぅ…
…………。
バンッ
と鳴った瞬間刀を振りかざした。
だがこの時点で勝負はついた。
こんな時に手でお行儀よく開けてくれるなんてバカなことを思ってた自分を攻めるしかない。
振りかざした刀は空を切り相手に当たることはなく地面に刺さった。
横を見ると扉を蹴って開けたと思われるまるでゴリラのような男がニヤッとこっちを見て笑った。
負けだ。次に刀をもう1度振り直せば勝てたかもしれないけどやっぱり何も前に進めてなかったみたいだった。
心の奥底では怖がっていたみたいで刀を持つことすら出来なかった。
手から離れる刀が床に落ちる音と同時に銃声がなった。
弾は左足に直撃し感覚がほとんどなかった。流れる血を見て栞もパニックになり叫んでいる。
だが当たった僕はなぜか冷静に相手の手を掴み銃を叩きを落とした。
「逃げろ栞…
お前だけでも逃げろ。」
栞に僕はそう叫んで言った。
栞に銃でこいつを殺してもらうって手もあったが栞の精神状態と今の様子から察するに無理だと思いそうするのが最善だと思った。
「えっ…でも勇哉は?」
「僕はもういいよ。
どうせこの足じゃこれから先足を引っ張るだけだろうし。だからさ最後のお願いだと思って聞いてくれよ。」
「そんな…私そんなこと出来ないよ。
勇哉も一緒に連れて行くから。」
僕の肩をもちあげようとする栞の腕を振り払い叫んだ。
「早く逃げろ!!
栞まで死んじゃうだろ。」
ゴリラのような男は飛ばされた銃を拾いにいきはじめている。
もう時間がないんだ…
「うっ。ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。」
泣きながら逃げる栞の後ろ姿を僕は目に焼き付けた。
最後に彼氏らしいことできたかな…
情けない姿ばっかり見せてたからな。
ようやくかっこいいとこ見せれたかな…
もっと一緒に居たかったなぁ。
「このクソアマが逃がすわけねぇだろ。」
銃を拾った男が栞の方に向かって構えたと同時に最後の力を振り絞りその銃口の真ん前に立った。
「なっ!!
カッコつけてんじゃねぇよ。お前から先に死ね!」
ドンっ。
次は横っ腹をかすめた。
突然出てきて焦ったのかわすがにずれたのだろう。
かすめたとは言えその部分からも出血し血が抜け過ぎて意識が朦朧としはじめその場に倒れこんだ。
ドロドロと流れる血の中に倒れ顔にも血がベッタリとついてしまった。
最後ぐらい綺麗な姿で死なせろよな。
「ざまぁみろくそゴリラ。
僕はもう満足だよ。殺せよ。」
「誰がゴリラだと…
お望み通り殺してやるよ!」
向けられた銃口を見て目をつぶった。
ドンっ
銃声とともに意識はなくなり真っ暗な世界になった。
これが死の世界か真っ暗だ…。