絶望の部屋（再）

栞…栞…栞…栞…栞。
 
 
足の怪我のせいかなかなか前に進まずこれ以上ないぐらい遠く感じた。
 
 
遠いよ本当に遠すぎるよ…
 
 
栞は僕に会ったらなんて言うかな…
喜んでくれるのかな。。それとも驚くだけかな…
まぁなんにせよ早くみんなに会いたいよ。
 
 
そう思いながら長い道のりを乗り越えようやく部屋の前まで着いた。
 
 
コンコンコンっ
 
 
部屋の扉を叩いた。
 
 
しばらく待ったが応答がなくやむなくポケットの中から鍵を出して部屋に入った。
 
 
おかしいな誰も居ないのかな…
なんて思いながらも僕はそのままベッドに向かった。
 
 
色々なことが1日に起こったこともあるが何より出血がひどかったせいか疲れが酷くベッドに着くなり寝てしまった。
 
 
 
次に目を覚ましたのは悲鳴とともに目を覚ます最悪の目覚めだった。
 
 
キャーっと大きな声がこの辺り全体に響き僕もそれに驚き目を覚ました。
 
 
どうしたんだと思って起き上がると扉の方でドサっと倒れるような音がした。
 
 
「何があったの？」
 
 
ぼやける視界の中前を見ると前には女性が腰を抜かしていた。
 
 
「で、で、で、でたーーっ」
 
 
その声は聞き覚えのある声でなんとも失礼な発言だった。
 
 
そうそこで腰を抜かしているのは間違いなく栞だろう。
そしてこれは間違いなく僕が死んでいると思っていたのにそこで寝ていて更に起き上がってきたから霊的なものと勘違いしたのだろう…
 
仕方がないことだが失礼な話だ。
 
 
「栞…。僕なんとか生きれたみたいだよ！」
 
 
 
「えっ…。うそ…！」
 
 
そう言うとともに栞が飛びたいてきた。
 
 
「あの時勇哉をおいて逃げちゃって…
 
私どうしたらいいかわからなくて今もあなたのこと探しに行ってたの…」
 
 
僕は真理亜とあったことを全て話した。
 
 
栞は驚いてはいたが何より生きて帰ってきた僕に喜び嬉しそうにしていた。
 
 
「栞も生きててくれてよかったよ。
 
僕は無傷ってわけにはいかなかったけど栞は怪我もないみたいだし。」
 
 
「それもこれも全部勇哉のおかげだよ。本当にありがとう。」
 
 
ようやく落ち着いたところに激しい足音が聞こえてきた。
 
まぁたぶんこれはあいつだろうな…
 
 
「大丈夫か？さっき悲鳴が聞こえたけど！！！
 
 
ってあれ…勇哉？お、お前生きてたのか…。グスッ」
 
 
一也はバットのようなものを持ち僕の生還に驚き少し涙目になっていた。
 
 
「心配かけてごめん。
 
 
遅くなったけど…ただいま一也。」
 
 
僕の目をみて何かを確かめるようにして一也は頷いた。
 
 
「帰ってくんのが遅いんだよお前は…
 
まぁそのなんだ…おかえり勇哉。」