絶望の部屋(再)
みんなが寝ている部屋に戻り刀を1人で振っていると一也がその音で目を覚ました。
 
 
「あっ…ごめん起こしたかな。」
 
 
「いや、目が覚めただけだよ。
 
勇哉何かあったのか?」
 
 
「え?うん…」
 
 
「どうしたんだ?」
 
 
「ゼツボウと会ったよ。
 
 
何かいつもと違う感じがしたんだ。
何かこう伝えようとしてる感じがしたんだよ…」
 
 
 
「そうか…
 
 
あのさ勇哉。ゼツボウはな…」
 
 
 
と一也が話そうとした途端この敷地全体が震えるように揺れた。
 
 
「…!!」
 
 
2人も飛び起きるようにして起きてとても話の続きをって感じの空気では無くなってしまった。
 
 
「え?なに…地震。」
 
 
飛び起きた七海は焦りながら聞いてきた。
 
 
「わからないけど…突然揺れたから地震かな…」
 
 
 
するとそこにあのアナウンスが流れた。
 
 
「今のは地震ではありません。
 
こちらが用意していた鬼が動き出してしまったので申し訳ありませんが今から隠れんぼを始めたいと思います。
 
 
尚鬼がそちらに着くまではまだ30分はあるのでこの敷地内ならどこでもいいので隠れておいてください。では検討を祈ります。」
 
 
嘘だろ…。
ってこんなことしてる場合じゃないな。
 
 
僕らは急いで部屋を別れ用意を済ましまた部屋から出て栞と七海を待った。
 
 
 
2人もそのすぐ後に出てきて急いで隠れ場所を探した。
 
 
 
「鬼ってどんな奴が逃げたんだよ!」
 
 
一也が少し切れた口調で言っていた。
 
 
 
「たぶん鬼ってあれじゃないかな…」
 
 
と栞が指差す方向を見るとあいつが立っていた。
 
 
そう僕ら遊園地で追い詰めたあの赤鬼の姿が目に入った。
 
 
とっさにしゃがみ少し驚いたのか遅れた七海の方を赤鬼がじっと見ていた。
 
 
「七海しゃがめ!!」
 
 
一也が七海の頭を押し付けしゃがませたが少し遅かったみたいだった。
 
 
30分はあるとかいいながらもうこんなところまで来てるなんて…油断した。
 
 
 
あのリーダーっぽい赤鬼に最初に会うなんて…死ぬかもしれない。
そう感じてるのは僕だけではないと思う。
 
 
赤鬼は僕らの方にどんどんと走って来てすぐそこにまで来てしまった。
 
 
逃げるって選択を選んでいたらもしかしたら逃げ切れたかもしれないでも隠れると言う選択を選んでしまった。
だから戦うしかない。
 
 
 
一也と僕は鬼の目の前に立ち武器を持って構えた。
 
 
一也はショットガンのような銃を手にして少し腕を震わしていた。
僕は真理亜から預かった刀を持ち構えた。
 
 
力を貸してくれ。
 
 
鬼が棍棒のようなものを振り上げた瞬間僕は腹の下に入り刀を思いっきり振り抜いた。
 
 
どさっと鬼の上半身は落ちて死んでるようだった。
 
 
「あれ…弱いぞ。」
 
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