絶望の部屋(再)
「弱くね?この鬼」
 
 
「確かに…。弱いね。」
 
 
真っ二つに割れる鬼を見て思ったことは思った以上に弱いってことだけだった。
 
 
このぐらいの強さなら集団で襲ってこない限り負ける気がしなかった。
 
 
「でも油断しない方がいいよ。
 
 
僕らがあの時感じた恐怖はこんなもんじゃなかったんだ…口では説明出来ないけどとにかくやばいものを感じたんだよ。」
 
 
 
「まぁお前がゆうなら油断はしねぇけど今回は楽勝そうだな。
 
こっちは四人いるし負けることはねぇだろ。」
 
 
 
「まぁそうだけど…」
 
 
殺した鬼を見るとみるみる姿が薄れて来て殺した鬼は消えるシステムになってるってことがわかった。
 
 
隠れんぼ…
 
 
今までに比べて簡単すぎる気がして仕方がなかった。
 
 
「まぁとにかく隠れようよ!!
 
こんな丸見えの状態じゃさすがに危ないだろうし…」
 
 
 
「そうだな。
 
じゃああの遊園地に隠れるか。あそこなら1日回って何がどこにあるかだいたい知ってるし。」
 
 
「それはいいね。じゃあ遊園地に行こう。」
 
 
そうして僕らは身を伏せてゆっくり遊園地に向かった。
 
 
遊園地に着くと前来た時とは違いそこらじゅうにあるものがぐしゃぐしゃに壊されていた。
 
 
あの鬼が出現したエリアには大きな穴が空いていてここから出てきたと言ってるようなものだった。
 
 
今出てきて探しに行った鬼達はいわばここから遠ざかったと言うこと。まぁゆえば適当に選んだようで1番いい場所を選んだみたいだ。
 
 
静まり返る遊園地内は不気味だったけど四人もいればそこまで恐怖を感じなかった。
 
 
何より一也が横にいる安心感が大きかった。
 
 
 
「ここ安全っぽいね。」
 
 
 
「そうだな。なかなかいい場所選んだな俺も。」
 
 
「そうだね。」
 
 
コソコソと小さな声で緊張を紛らわすために四人で色々な話をしていた。
 
 
栞と七海はさすがに緊張しているようであまり会話もなかったが一也は案外冷静で僕にずっと話しかけてくれていた。
 
それに答え続けて緊張しないようにだけ気を配っていた。
 
 
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