絶望の部屋(再)
はぁはぁはぁはぁ
 
 
かなりの距離を走ってもう鬼はいないだろうと思って足を止めた。
 
「大丈夫か勇哉?」
 
 
「うん。僕は平気だよ。一也こそ大丈夫?」
 
 
「あぁ。でもあの2人は大丈夫かな…」
 
 
「そうだね…」
 
 
一也もやっぱり2人が心配で気にしているみたいだった。
 
「でもさ一也。
 
 
心配しててもどうにもならないんだから2人が生きてることを信じようよ!」
 
 
「ふっ。ゆうようになったな引きこもり。」
 
 
「それは言わない約束だろ。」
 
 
「ははは。悪りぃ悪りぃ。」
 
 
といつも通りの一也との会話で僕の気持ちはかなり落ち着いた。
 
 
一也と2人で着いた場所は何もない場所で隠れるところを探す方が難しいと思えるほどの場所だった。
 
 
「さすがにここは危なそうだしちょっと移動するか。」
 
 
と一也が提案してきた。
僕もそれを言おうと思っていたからそれには賛成だ。
 
 
端の方をできるだけ歩き目立たないようには一応しておいたがやはりこんな何もない場所で見つからないで行く方がむずかったのか鬼と出くわしてしまった。
 
 
「次は青色か…」
 
 
青鬼は僕らに気づくなりドスドスと足音をたてて走ってきた。
 
 
それに対し一也は冷静に青鬼の方に銃口を向けギリギリのところで引き金を引いた。
 
 
凄まじい威力で青鬼の頭は吹き飛び全くをもっていいところなしで死んでしまった。
 
 
 
「やっぱり弱いね…」
 
 
「だな。」
 
 
 
ただ一つ気になったのがあの透明の鬼に対してなぜ一也は撃たなかったのかってことだけだった。
 
 
 
その銃があれば絶対殺せた気がするんだけどな…
 
 
 
「赤と青は弱いってことだね。
 
 
やっぱりあの黒鬼と金と銀の鬼が気になるところだね。」
 
 
「あっそうか!お前は鬼達を見たんだったな。」
 
 
「うん!透明になったのは色的にも銀の鬼だとして金はなんなんだろ…
 
黒は索敵能力だと思うし…」
 
 
 
「金は…なんだろな。
 
 
黒は索敵なのか!?なんでそんなことまでしってんだよ!」
 
 
 
「え?まぁこれはあくまで予想なんだけど僕らが遊園地で隠れてる時に探していたのが黒だったから索敵能力かなって…」
 
 
「そうゆうことか!
 
 
それならそうかもしれないな。」
 
 
でも何鬼が1番厄介なんだろ…
 
 
赤が鬼全体を仕切っていた気がしたんだけどなぁ…
 
 
 
「そう言えばさ、希は元気にしてるかな?」
 
 
 
「どうだろな。。まぁあいつのことだから元気だろうよ」
 
 
「そうだね!!
 
 
早くまた3人で遊べたらいいのにな…」
 
 
 
「そうだな。また3人でな…
 
 
まぁそうしたいなら生き残るしかねぇな!」
 
 
 
「そうだね!
 
これからもよろしく一也!」
 
 
「なんだよ改まって。
 
俺はどこにもいかねぇよお前は何を心配してるかしらねぇけどお前みたいなやつ置いて先に死ねるかよ。」
 
 
一也は僕の様子が変なのを察したのかそう言ってくれた。
 
 
「そうだね。一也が死ぬとこなんて想像出来ないもんね!」
 
 
 
「だろ?
 
 
俺はなんてったて不死身だからな!」
 
 
そうだよ。深く考え過ぎて悪い方ばっかり想像して1人で悩むのは僕の悪い癖だ。
 
 
ありがとう一也。
 
 
毎回思うが本当に一也は友達思いのいいやつだよな。
僕もあんな風になれたらどんなにいいことか…
< 94 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop