route1119

「あ、やしゃくさん。それにたかなしも。」

 フードを深く被って首にカメラをぶら下げているのがやしゃくでジャージ姿の男がたかなしなんだろうな。

「なあに?知り合い?友人?」
「まあ、友人だね。彼女は夜飛 空。そしてこちらが小鳥遊 信」

「珍しいね、ナイトが、私たち以外の人とつるむなんて」
「コミュ症なのになー」
「うぐ」
「アイだよーよろしくねー」
「羽無だ」

 こうして、友人が着々と増えていった。あの三人はゲームやら趣味があうらしくそれで知っていたらしい。空と信はネットで有名なやつらのようだ。
 なんなんだこの異色の組み合わせ。

 今のところボクの友人は「花キチ」「たらし」「オタク」「カメコ」「ネット中毒者」だな。こう考えるとまともなのは...うん。多分ボクは天然として見られているのだろう。




 賑やかな昼食を終えると能力自慢が始まった、実際にやるもんなんだな、とおもった。僕はまだ能力持ちじゃないので見るだけだった。アイは好きなところから好きな植物を生やすことができる。というものだった。草を生やす、ということで。「笑わせるん?」という反応を小鳥遊がしていた。

 羽無は腕と足を鳥のように変化させるというもので、鳩胸ってやつだった。羽は黒で完全にカラスだった「たらし」は「カラス」だった。

 内藤はというと波を起こす。そういうものだった。水以外でもできて、持ち物が散乱した。いわゆる全体攻撃魔法である。

 小鳥遊は鳥を呼び寄せるというものだった。おかげさまで、弁当を守るハメに。羽無も近くによって言った。完全にカラスだった。

 夜飛は手から糸を出してそして移動するというものだった。壁もはうことができるので完璧に虫だった。

 ボクの友人は全員能力持ちでした。

 その後、解散してボクは別校舎の図書室へ向かった。

「おや、いらっしゃい」

 脚立に乗った長髪の男が迎えた。足が不自由だから脚立にのって移動しているらしい。

「それなら車椅子は」
「車椅子だったら高いところにある本が取れないだろう。ところで君名前は」

 彼は流笠 蠍と言った。この図書室の管理人だそうだ。
< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop