route1119
はじめての授業だ。内藤と一緒に美術を専門に受けることになった。
「君、どんな絵書くのさ」
「俺は基本キャラクターとかばっかりだよ」
「ふーん、ボクはデザイン画とかも書くよ」
「そうなのか」
担当は重枕 音琉(かさくら ねる)。女みたいな名前だが男だ。銀先生と名前交換してみたらどうなるだろう。
「最初の授業なぁ...うーん、」
考えていないのかよ。なにかあるだろう。書かせるとかさいろいろ。
「よし、自分の利き手じゃないほうで、自分の利き手を書け」
「両利きはどうすればいいですか」
「書きにくいほうでやれ、そんなこともわからんのか」
なーる。まあいいや書こう。
やっぱりやりにくいがいい線がかけるな、利き手だったら思わず力が入ってしまうからな。
「ベイズ、どうだい?」
「結構やりやすいな」
「へえ」
授業も終わり、自分が今日から寝泊りするところへ向かう。
「...誰だい」
「...ここがボクの部屋だと聞いたのできたんですよ。」
「いや、だから誰だい」
鈴のイラストが書かれたヘッドフォンをつけた、自分より見た目が幼い男が自分の部屋となるところにいる。
「来災辺偉事です」
「はぁん、君か。姉さんの目にかかったのは」
「お前の姉とかなにそれ、しらん」
眉を釣り上げる。ボクの腕が部屋に吸い込まれる。
「君がとても頭がいいということはよく知っている。確かに君にこの学校という空間はいらない。だがこれは試練だ。」
「はぁ?なにそれ、どこの女の子向けアニメ?」
「マイリトルポニーとかだろ、ともかくだ」
彼は阿羅堂師鈴丸里。王族の末裔というやつだ。年齢は15。学年は3年。彼の姉は五年ということだから、おそらくあの中にいたのだろう。
聞きなれない名前だったから覚えていなかったし、頭にも入れていなかったが。ボクを招待したのは、彼の姉の阿羅堂師頃丸里だ。有名なやつだということしか覚えていなかった。そういえば何度かあったことがあった。頭にゴーグルをつけた変な人だった。