あのね、先生。
唇に残る感触
シャワーを浴びて先生に借りた服を着ると、先生の匂いに包まれた。
あたしが着るには大きすぎて、手なんてスッポリ隠れてしまう。
何だかそれが照れくさくて、袖をキュッと握ったままドアを開けてそこを出た。
リビングに続くドアを開けると、服を着替え終わった先生がタオルで濡れた髪を拭いてた。
「んふふ、やっぱちょっと大きかったね」
「先生の匂いがする」
「だって俺な服だもん。嫌い?」
「ううん、好き」
久しぶりに見た先生は、あの頃よりも少しだけ髪が伸びて大人っぽくなった。
それでも到底年相応には見えなくて、あたしと7歳も離れてるとは思えない。
「…ごめんね、勝手に連れ出して」
先生はあたしの髪を撫でて言った。