あのね、先生。
俺のその言葉に高橋は俯いて、白城は笑顔を消して真剣な顔で俺を見た。
それがもう、何よりの答え。
1人じゃない。
この人は、1人でここに来たんじゃない。
「…いや、篠原先生と一緒に来たけど」
…最悪だ。
「元美術部の子もここに通ってるらしいから、その子のとこに行ったぞ。」
誰も悪くないのにイライラした。
白城はただ中村先生に来てほしかっただけ。もしかしたらそのときに蓮くんも誘ったのかもしれないけど、だからって白城が悪いわけじゃない。
「…ふざけんなよ」
絶対とは言い切れないけど、多分茉央は蓮くんの姿を見つけて追いかけた。
「簡単に壊れんじゃん…」
…だから、俺の声に振り返らなかった。