あのね、先生。
「おい加地、どこ行くんだよ」
すぐに追いかければよかった。
振り返らなかった茉央を、無理やりにでも引き止めてれば。
「探しに行く」
俺の腕を掴んだ白城が、その手をゆっくりと離した。
「…お前何なの。」
蓮くんの味方?俺の味方?
「蓮くんの味方すんなら、ちゃんと俺のこと引きとめろよ。」
一番困るんだ。
そんなことされたら俺、もう少し頑張っていいんだって思うじゃん。
「…意味分かんねぇ」
もう何も言わない白城を放って、茉央を追いかけようとした。
だけど、今度は隣にいた中村先生が俺の手を掴む。