あのね、先生。
買っておいた飲み物を持って蒸し暑い部屋を出ると、少し涼しくなった。
美術室の外には俺が思っていたよりも生徒がたくさん残っていて、賑やかな女子生徒達と目が合う。
「あっ、蓮くん!」
また捕まった。
この子たちも毎回毎回よく飽きずに俺に構うなー、ってちょっと尊敬する。
こんなに年離れてんのに。
「篠原先生、だろ?」
「蓮くん会うたびに毎回それ言うよね」
「だって俺先生だもん」
「見えないよー」
茉央ちゃんが高校生の時って、こんな感じだったっけ?
もうちょっと落ち着いてたか。
最近の女子高生ってすげー元気。学校終わりで疲れてるはずなのに、こんなに笑顔で俺に構ってるんだから。