あのね、先生。
「あ、蓮くんそれちょーだい!」
「あたしも欲しいー!」
「だーめ、俺飲んでるもん」
俺が持ってるカフェオレを指差して、喉乾いたから、なんて言う。
ほんと、よく分かんないな女子高生。
俺飲んでんのに。
「いいじゃん、ケチ!」
「はいどうぞ、って簡単にあげたらそっちの方が問題でしょ。俺一応ここの教師だからね」
「蓮くんとなら全然いい!」
「あたしもー!」
思わずため息が出た。
まぁ確かに教師らしいかっていえばそう見えないって言われることの方が多いと思うけど。
どれだけ教師に見られてないのか改めて実感する。だけど、それって別に喜べるようなことでもないし。
「…あ」
この子達を帰らせるために言おうとした時、ポケットの中で携帯が震えた。