あのね、先生。

『先生…』

｢会いたいね、茉央ちゃん｣

『え…』

｢俺、茉央ちゃんに会いたい｣

会って抱きしめたい。

悪いのは全部俺だから。茉央ちゃんはただ巻き込まれただけだから。

…だから、頼むから離れないで。

一緒にいる理由がいるなら俺がいくらでも作ってあげるよ。


『先生、いつもあたしが会いたいって思った時にそう言ってくれるよね』

｢え？｣

『あたしが素直に言えないから、いつも先生に言わせちゃうの。会いたいって』

｢んふふ、だって俺も会いたいから｣

加地くんへの罪悪感が消えないなら、全部俺のせいにしちゃえばいい。

それくらいどうってことないよ。


『でも…』

｢俺の家分かるよね？｣