あのね、先生。
先生は自分が悪者になっても、強引にでもあたしを連れ出してくれるのに。
…あたしは優真を傷つけるのが怖くて会いたいと言うことすら躊躇う。
「そっか、じゃあまた明日ね」
「うん、バイバイ」
梨花は手を振って玄関に向かった。
だけど少し行ったところで立ち止まって、振り返って言う。
「茉央」
「何?」
「…あたしは茉央がどんな道を選んでも、茉央の味方だからね」
それを聞いて、あぁやっぱり気づいてるんだな、って思った。
梨花が気づかないわけがない。
いつでもあたしの味方で、こんなにもずっとそばにいてくれてるんだから。
「幸せになってよ」
「梨花…」