あのね、先生。
「蓮くん?」
「…あ、ごめん。何だっけ?」
「もー、聞いててよっ。今年の文化祭のポスターのデザイン、あたしたちが考えるの?って聞いたの」
だってほらまた、そういえば茉央ちゃんに選んでもらったな、なんて考えてしまうんだ。
「うん、そのつもりだよ」
ほんと、嫌になる。
突き放したのは自分。
ほんとはとられるのが怖くて、自ら手放したんだ。全部、決めたのは俺。
茉央ちゃんの意思なんて関係なく、ここに来るなと言ってしまったんだ。
後悔してるなんて、今更言えない。
会いにいけるわけない。
このまま、時間が過ぎていって忘れてしまうのを待つしかないんだ。
…俺が選んだんだから。