あのね、先生。

「分かってますよ」

吉野先生はムッとして、だったら、と俺の言葉を遮る。

「でも、自分から嫌な女になることもないですよね。」

「え…?」

「可能性ないのに邪魔して、嫌な女になる必要はないと思いません?」

やめときなよ。

嫌な女になってもいいって言うなら、また話は別だけどさ。

好きな人に嫌われんのって辛いでしょ。


「今身を引けば、元通りですよ」

「そんな、元通りには…」

「篠原先生がいつまでも怒ってる心の狭い男だと思います?あの人、多分明日には落ち着いてますよ」

まぁ、今後何もしなければの話だけど。

今後2人の邪魔をしなければ、多分篠原先生は今まで通り接してくれる。

「まだ、間に合いますよ」
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