あのね、先生。
「え…?」
先生を選んだ、なんて言うつもりはなかった。だったまだどうしたらいいか分からないままだから。
「咲良が蓮くんに振られた日、俺咲良が帰った後蓮くんのとこに行ったんだ」
…そういえばあの日、シロは中村さんに用事があるからって一緒に帰らなかったっけ。
「俺、あの日からずっとモヤモヤしたままだったんだ。」
言いたいことがあったから、話したいことがあったからシロはさっき遅い、なんて言ったのかな。
「あのとき蓮くん、まだちゃんと咲良のこと好きだったよ」
…ズルいなぁ、今言うなんて。
だって、先生確かにあの時あたしを突き放したでしょ?
「…多分卒業してからもずっと、蓮くん、咲良のこと好きだったんじゃねぇかな」
そんなこと言わなかった。
先生は再会したとき、後悔してるとは言ったけどずっと好きだったなんて言わなかったんだよ。
だけどあたし、どんなカタチでも先生がまたあたしを好きになってくれたならそれでいいと思ったの。