あのね、先生。

｢…お前さ、何で今日はそんなにしつこく聞いてくんだよ｣

察してんのかな。

様子が変なのは茉央が関わってるからだって、分かってんのか。

｢何でって…心配じゃん｣

｢…鳥肌立つからやめろって｣

｢え、ちょっとそんなに引く？｣

真面目な顔で言った白城から距離をとると、白城は慌てたように追いかけてくる。

本気で心配してくれてんだろ。

どっちの味方もしないって言ったけど、関わってることに変わりはないから。


｢…なー、白城｣

｢ん？｣

｢俺今さ、すげー茉央に会いたいけど、会ったら全部終わる気がするから会いたくねーの。｣

｢……何だよ、それ｣

矛盾してんだよな。

会いたい。会って声が聞きたいし、いつもみたいに自然に手繋いで、今まで通り笑ってたい。

…だけど、多分俺が次茉央の声を聞くのは、俺の聞きたくない話をする時だから。