あのね、先生。
「なーに言ってんだよ、これが男の友情ってやつだろー?」
ほんといいやつだなって、改めて思う。
こんなにいいやつ、なかなかいないって。
多分俺、こいつがいなかったら今こんな風に笑えてないと思う。
「白城」
「んー?」
「ありがとな」
「…何だよ急に、照れるじゃん」
頬に手を当てて照れる白城に「気持ち悪い」とだけ言って別れた。
後ろから「酷い!」なんて声が聞こえたきがするけど、それを無視して歩き出す。
状況は変わらないけど、ちょっとでも話したからか少しマシだった。
それと同時に、このままでいるわけにはいかないと思った。
それでも離す気にはならないけど、この状況を変えなきゃならない。
…出来るなら、もう一度茉央が俺を見てくれるように。
…そう考えてたからなのか、ただの偶然なのかは分からない。一瞬、見間違えたのかと思ったけどそうじゃない。