あのね、先生。

「なーに言ってんだよ、これが男の友情ってやつだろー?」

ほんといいやつだなって、改めて思う。

こんなにいいやつ、なかなかいないって。

多分俺、こいつがいなかったら今こんな風に笑えてないと思う。

「白城」

「んー?」

「ありがとな」

「…何だよ急に、照れるじゃん」

頬に手を当てて照れる白城に「気持ち悪い」とだけ言って別れた。

後ろから「酷い!」なんて声が聞こえたきがするけど、それを無視して歩き出す。


状況は変わらないけど、ちょっとでも話したからか少しマシだった。

それと同時に、このままでいるわけにはいかないと思った。

それでも離す気にはならないけど、この状況を変えなきゃならない。

…出来るなら、もう一度茉央が俺を見てくれるように。

…そう考えてたからなのか、ただの偶然なのかは分からない。一瞬、見間違えたのかと思ったけどそうじゃない。
< 239 / 328 >

この作品をシェア

pagetop