あのね、先生。
「多分俺、次病院行くときは一緒に行けないわ。ごめんな」
「え…あ、そっか」
急にどうしたんだろう。
あれだけ頑なに一緒に行くって言ってたのに、最後の日は一緒に行けないんだ。
もしもその日に包帯とかがとれたら、優真も少しは安心するかな、なんて思ったのに。
「その日は行けないけど、夏休みが終わる前に一回会おう」
「え?」
「いつでもいいから。茉央の都合に合わせるし」
「いいけど…」
優真はあたしの方を見ることなく、前を見据えたまま言った。
「ちゃんと、話さねぇとな」
その言葉に、急に心臓の動きが早まった。
それは緊張とか動揺とか、とにかくいろんな感情が混ざってたからだと思う。
返事は出来なかったけど、あたしが頷いたのはきっと優真にも見えたよね。