あのね、先生。
あたし、すごく周りの人に恵まれた。
あたしが先生のところにいけるのは、梨花やシロや中村さんの言葉があったからで。それがなかったらきっと今もまだ悩んでた。
それが優真を傷つけると分かっていながら、きっとそのまま過ごしてた。
…多分もうすぐ、優真と話をすることになるけど、後悔はない。
何を言われたって泣かない。
もう優真の前では泣かないから。
…我慢した涙は、先生の前だけで見せるから。そのときは傍にいてほしい。
そんなことを言ったら先生はきっと、あたしの大好きなふにゃんとした笑顔を浮かべて「もちろん」なんて言うんだろうな。
…早く、会いたいな。
朝よりも上がった気温と強くなった日差しに頭が働かなくなってきて、近いけどバスに乗って帰ろうかな、なんて考えてた時だった。
「茉央ちゃん」
大好きな声が聞こえて。
それと同時に、このことを黙っていたことを後悔したのは。